すぐに再び

気を取り直してクラスを確認しに行く。

「1組か。」

そしてひとりでこれから1年間過ごすであろう教室に向かう。

誰も仲良くなってくれる確証なんてない。

ただ平和に何事もなく過ごせればいい。

これが本音である。

そして1呼吸置いてから教室の扉を開ける。

開けると既に何人か教室内におり中学からか今作ったばかりなのかは分からないがグループができていたり、様子見をしている人達などがいた。

自分の席につき静かに指示が出るのを待つ。

友達というか知り合いがいない、そもそも作ろうとすらしていない人はこれぐらいしかやることがないのだ。

そんな時扉がガラガラッと勢いよく開いた。

すると既にいた女子たちがざわざわとはしゃぎ出す。

少しだけ気になって振り返ってみると、そこにはさっき倒れそうになったところを助けてくれた人がいた。

え、先輩じゃないの?と心の中で思いつつ興味無さそうにしている。

女子があんなに騒ぎだすということはここら辺では有名な人に違いない。

そんな人に絡まれてしまったら1日目に

やっぱり嵐のように過ぎ去っていく人だ。して全てが台無しになってしまう。

見つからないように気付かれないようにしていた。でも。

「あ!さっきの子?同じクラスだったんだ!よろしくねー!」

思いっきり気づかれてしまった。

他の女子からの視線が痛い。

「よろしくお願いします。」

また素っ気なくなってしまった。

でもここではその方がいいだろう。

入学早々他の女子を敵に回したくはない。

「優斗ー!」

「呼ばれちゃったからまたね!!」

やっぱり嵐のように過ぎ去っていく人だ。

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あなたの残り 春紀 結葉 @harukiyuuha

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