出会い

入学式の前、クラスを確認しに行こうとすると誰かの親らしき人の周りがぼうっと青白く光った。

他の人には見えていないのだろう。

でも私にはあの光がなんなのか心あたりがあった。

その瞬間、私の頭の中に昔の記憶が流れ込んできた。

私のトラウマであるその記憶はすぐに私の心を蝕んでいく。

「死神。」

「あんたが殺したんだ。」

「あの子は化け物だ...。」

今まで言われてきた言葉がフラッシュバックしてくる。

苦しい。助けて。

過呼吸になりかけながら端っこの方まで行くと転けて倒れそうになってしまった。

あ……倒れる。

そう重い目をつぶった瞬間。

誰かに支えられていた。

「大丈夫?」

目を開けるとそこには制服を着た1人の男子生徒が私を支えてくれていた。

「すみません。ありがとうございます。」

「いーえ!それよりもどこか悪い?保健室行く?」

「いや、大丈夫です。ご心配ありがとうございます。」

つい人と関わることになれないせいで素っ気なくなってしまった。

「ならいいけど、じゃーねー!!!」

そう言い残して颯爽と消えていった。

「台風みたい笑」

ボソッとひとりで呟いた。

この時私の口角が久しぶりに上がっていたことには気づいてなかった。

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