幽玄ニ漂ウ夢現
高峰 涼
夢で通じる幽世の狭間
死んだ友人の夢をたまに見る。
最初見た夢は、あまり家具の無い白い部屋で数人で話していた。
何を話していたかまでは流石に覚えていないが、一晩中話していると段々と窓の外が明るくなり始め朝がやって来る事を教えてくる。
俺達はその家から帰ろうとするが、その死んだ友人だけは笑いながら手を振りそこに残る。
暫くして見た夢は大きなツ〇ヤで本を探したりDVDを探したりしていた。そしてそろそろ帰ろうというと死んだ友人は「俺はもう少しここにいる」と言ってそこに残る。
次に見た夢は船に乗っている夢だった。岸が近づいて来てそろそろ下船しようというと死んだ友人は「俺はこれを書かないと行けない」と言って船の中で何かの書類を書いておりやはりそこに残る。
次の夢は遊園地で遊んでいる夢だった。色々な遊具に乗って遊び、そろそろ帰ろうというと死んだ友人だけ「俺はもう一回あれに乗ってくる」と言ってその場に残る。
お盆には必ず死んだ友人の家に行く。
ある盆の前日にこんな夢を見た。
100均かどこかでティッシュを買ってきて欲しいと死んだ友人に頼まれたのだ。
死んだ友人の家に行き遺影を見ると妙に水のイメージが伝わってくる。
何故か気になり墓に行く前にコンビニで2ℓの水を買って行った。
墓に行ってみると墓が鳥の糞で汚れていた。
そこで全てが繋がる、きっと洗って欲しかったのだ、と。車に積んでいたティッシュと買ってきた水で墓を綺麗に掃除した。
♢♢♢♢♢♢♢♢♢
皆さんには誰かもう一度話したいと思う人はいますか?
もしかしたら夢で話せるかも知れませんよ。そして話した後は生きている人は現世へ、死んでいる人は幽世へ帰って行くのかも知れません。
私の夢で死んだ友人がこちらへ来ないのはきっと幽世へ帰るからなのだと何度か夢を見て私はそう思いました。
夢は不思議ですね、現世と幽世の境界を曖昧にしてくれるのですから。
幽玄ニ漂ウ夢現 高峰 涼 @kokoronokatachi
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