概要
それはきらめくような日々。辛いこともあるけれど、魅力的な人生の香り
震災後、母親の故郷の香港で初めて対面する祖母から語られる、在りし日の華やかな物語。
彼女の周囲を彩った人々の煌めくような思い出。
こちらは、"仔猫のスープ"に関連したお話になります。
彼女の周囲を彩った人々の煌めくような思い出。
こちらは、"仔猫のスープ"に関連したお話になります。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!藤〇弘が10分かけて淹れてくれたコーヒーみたいな小説
要するに
「神は細部に宿る」
と、いうことです
舞台の大部分は香港です
東日本大震災の数カ月後――主人公の少女が訪れた現代の香港と、
少女の祖母によって語られる数十年前の香港
おおよそ、この二つのパートで構成された物語です
吟味された言葉でもって、時代や、町、人間がていねいに描かれます
味に匂い、手触りまでもが自然とこちらに伝わってきて、異国であることの「壁」を感じさせません
すうっと物語に入り込んでしまいます
まるで、衣装や、セット、小道具に至るまで作り込まれた1本の映画を見ているかのよう
そこで謳われるのは、「人間のいとしさ」であり、「人生の味わい深さ」です
と、カタイ言い…続きを読む - ★★★ Excellent!!!忘れられた声が響く、戦後香港の静かな叙事詩。
『金蘭大夜総会 ~Golden Orchid Club~』 応援レビュー
──この物語は、風化してはいけない“記憶”を、確かな手触りで留めてくれる──
レビュアー:ひまえび
ましら佳さんの筆によるこの連作短編は、戦後の香港という時代と場所を背景に、忘れ去られそうな人々の「生きた証」を優しく、しかし凛とした眼差しで描いています。
喧騒の中にひそむ静けさ。
煌びやかさの裏にある悲しみと誇り。
すべてが過剰になっていく時代のなかで、あえて「語られざるもの」を丁寧に掬いあげようとする、その姿勢に、私は深く心を打たれました。
本作を読みながら、私は同じくましらさんの別作品『仔猫のスープ』を思い出…続きを読む