第6話
翌日、彼はいつも通り職場で作業をしていた。
彼はやはり、1枚の花の画像を睨んでいた。
明るさを微調整してみるのだが、どうしても花弁と茎のバランスが上手くいかない。
花弁の艶めきを強調しようとすると、茎も浮かび上がり、不自然に見えてしまう。
かといって、茎の暗さを維持しようとすると、今度は花弁も目立たなくなってしまう。
その2つの調整が、彼には難しかった。
彼は長いこと同じ写真を見つめては、何度も瞬きし、疲れを感じていた。
彼は、このままでは気が狂いそうだと思いさえした。
1枚の写真に何日も時間をかけているが、時間が経てば経つほど、元の画像との違いがわからなくなり、彼は再び頭を抱えた。
彼の上司がそばに寄り、「少し休んだ方がいいんじゃないか」と、彼に声をかけた。
しかし、彼は「これが仕事ですから」と言うばかりで、彼はいつまでもパソコンに向き合っていた。
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