第5話

 家に持ち帰って見たものの、彼は蝶の育て方をよく知らなかった。


 その飼い方を知ろうと、彼はインターネットで様々な情報を調べていた。



 そこでわかったのは、蝶を飼う際は、虫かごを小さくしすぎないことが肝心ということだった。


 虫かごが小さすぎると、蝶が暴れ回り、疲れさせてしまうという。


 それを知った彼は、すぐさま巨大な水槽を発注した。



 また、餌については、砂糖水や蜂蜜で代用できるようだった。


 彼は早速餌を与えようと、砂糖水を作ることにした。

 甘さは、人間が舐めて少し甘いと感じる程度が良いらしかった。


 彼はペットボトルの蓋に少量の水と砂糖を入れ、つまようじでかき混ぜた。


 少し舐めてみると、控えめの甘さだったので、彼はそれを実際に蝶に与えることにした。



 彼は虫かごの中に砂糖水を入れた。

 しかし、すぐには食らいついかず、蝶はかごの中を飛び回るばかりだった。


 困った彼は、蝶を端まで追いやり、蝶の羽をそっとつまんだ。


 そうして、蝶を砂糖水まで運び、足を少しだけ漬けさせた。


 蝶はようやく餌だと気づいたのか、砂糖水をちびちびと舐め始めた。


 彼はそっと羽を離し、虫かごの蓋を閉じた。


 蝶は夢中で砂糖水を吸い取っており、彼はその姿にうっとりとしていた。

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