東大卒地方損保 × 高卒爆弾魔

地方都市・宇都宮に開通したLRT。その華々しい延伸開業日を前に、「この街の未来を止める」という謎の爆破予告がネット上に現れる。調査を命じられた東大卒の損保会社社員・Aは、ある日、予告の主と目される男・Bと出会う。高卒・非正規であるBは、自らの故郷がLRT開発により消され、生活基盤をも奪われた過去を抱えていた。
一見「成功者」と「敗者」に見えるふたりの男が、都市開発の光と影の狭間で、価値観をぶつけ合いながらも互いに惹かれていく。
正しさは誰のものか。怒りは本当に間違っているのか。
——これは、“便利な未来”のために切り捨てられた感情たちの、小さな革命の記録である。