第3話 そもそも「ミス研」とは

「ところでこの部は何するんですか」

勢いで入部届出したけど、そういえば部活について何も知らないな。

「何も?」

「え?」

氷野さんは入部届けを机に仕舞いこんでソファで再び何かを書き始めた。

「なんだ?特別になにかしているとでも思ったのか?」

「普通ミス研てミステリー研究部の略じゃないんですか?!」

「それを書いたのは紫藤だ。自称副部長らしいぞ」

紫藤さーん!あんた何してんですか!!ってか自称副部長ってなんだよ。

「それに、何時この部がミステリー研究部だといった?

どちらかといえばミステーク研究部だ」


……ミステークを研究?


「どんな研究なんですか?」

ミスティークって、「間違い」「誤り」とか「見間違い」「思い違い」とかって意味だよな。

「私というミス(誤り)が何故存在しているか」

「は?」

急に中二病じみた事を言い出したぞ。

「そしてどうしたら私を世間が完全に見捨ててくれるかを研究する部だ。

どうだ、止めたくなっただろう」


ふふん、を鼻をならす。


そんな自慢げに言われても……。

でも事実、少し辞めたいかも。

「しかし入部が認められるまで一週間は研修期間だ。その間に退部することは許さん。

それに入部してやめることを承認するまでに一週間だ」


最短で2週間…えぇー、部活ってそういう決まりとかあったのか。もう少しちゃんと部活についての説明会聞いておけばよかったな。


「その期間内に無断で辞めたらお前の人生を止めさせてやろう」


……悪魔だ。


『もっと驚くのはあいつのツンツン具合だ』

紫藤さん、貴方の言ったことよく分かりました。これツンってレベルじゃないと思うんですけど?!

そして異端者だというのも分かる。常識や普通からは外れている感じがする。

「異端者は言いすぎだ。問題児程度に抑えてもらいたいものだ」

……この人心読みましたよ?!サイコメトラー?!

「顔に出過ぎだ。目は口ほどにものを言うんだ、覚えておけ」


俺……選択誤ったなぁ。

とはいえ2週間は逃げられないなら、その間せめて穏やかに過ごせますように。

そうそう問題なんて起きるわけじゃないし、期間が過ぎたらそっと部を止めよう。

そう思っていたのに、俺やその周りに何かしらの問題が降りかかってくるなんて思いもしなかった。

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