第5話 アメリカから離れる
この機会にアメリカ離れをしたらと書いた。先ず核の傘から抜けること。核の傘に守られて核廃絶を訴える、どう考えても矛盾している。ロシアは基本欧州とは仲良くやっていきたい。敵対と考えているのは米国主導のNATOなのである。アメリカの強気は「俺たちはお前たちを守ってやっている」にある。
もう一つの強みは農産物の最大の輸出国(世界の43%、約半分だ)にある。中国はこの農産物の最大の輸入国なのだ。飼料農産物は中国の農家に大きな打撃を与える。中国は食糧自給率では一応100であるが、三農問題を抱えている。生産の低迷、農業所得の鈍化、農村の疲弊である。
アメリカの農産物の強みはその量にもあるが、その価格である。大規模機械化農法はご存じの所である。只大きな問題は単作、多肥のやり方で土壌が疲弊しているのである(一応農学部で信用して欲しい)。これに対して、生産を落とさない範囲で、休耕させるとか、持続可能な農法を取り入れ、この分野にかなりな予算(補助金)を投じている。
中国の貿易輸出先はアメリカ1位(16%)であるが、EU,アセアン、ともに15%と分散させている。輸入に関しては日韓アセアン、EUと続きアメリカは5位である。一時のアメリカ依存をかなり減らしている。相互関税、ベトナムの高さに驚いた(ベトナム戦争の報復を今頃やるのかと思った程である)アセアン経由の輸出を警戒してである。アセアン諸国の輸出先NO1はアメリカである。中国シフトするにしても、その打撃は大きい。今やアジア諸国(中日を含む)を抜きに世界の貿易・経済は考えられない。トランプが本気でやるなら、どうなるかははっきりしている。中国の云うように「どこにも勝者はいない」である。
私は大風呂敷を広げて、小さな風呂敷にお土産をと思っているが、それでも各国からとなると相当なものになる。その交渉の真っ先に日本を指名した意図は分かる。
日本は先進諸国の中で一番食料自給率が低い。輸出優先、農業切り捨て、地方は疲弊している。アメリカ離れを(何も敵対せよとは言ってない)、核と農の問題を真剣に考えろと云っているのである。ハッキリ言って、これは中国叩きを目的とした関税弄びである。それに世界を巻き込んでいる。EUや日本の存在が問われている。
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