『混乱の極み! 勇者軍壊滅大作戦!?』
「た、助けてください、参謀さぁぁぁん!」
魔導通信越しに聞こえるリリスの悲鳴。状況は予想以上に悪化しているようだった。
俺は眉間に指を押し当て、小さく舌打ちをした。
「……やはり、胸元がネックだったか……」
だが、リリスを失うわけにはいかない。
むしろ、今が計画を一気に加速させる絶好の機会だ。
俺は冷静に指示を伝え始める。
「リリス様、落ち着いてください。そのまま城内の混乱を最大化させながら逃げ回ってください。あなたが逃げれば逃げるほど、勇者軍は混乱し、追いかけざるを得ない」
「うぅ……はいぃ……!」
通信機越しに聞こえるリリスの泣き声が情けないが、今は贅沢を言っている場合ではない。俺は即座に魔王軍の残存兵士を呼び集めた。
「緊急事態だ! リリス様が潜入に失敗した! これより第二フェーズに移る!」
「ま、まさか第二フェーズって……!?」
部下たちが驚いてこちらを見つめる。俺は冷徹な笑みを浮かべ、頷いた。
「そうだ。いよいよ『勇者軍壊滅作戦』に移る」
【魔王城内部】
一方、リリスは逃げ回りながらも、城内をめちゃくちゃに掻き乱していた。
「魔王が城内にいるぞー! 捕まえろ!」
「いや、食料庫が開かない! 武器庫の報告書も合わない! 一体何がどうなってるんだ!」
勇者軍兵士たちは右往左往し、すでに指揮系統は崩壊寸前だ。その中心にあるのは、必死で胸を押さえながら走り回る魔王――リリスだった。
「あぁぁぁ! もう胸が苦しいですぅぅ!」
そのとき、勇者軍の隊長が叫んだ。
「お前たち落ち着け! 魔王はただのポンコツだ! 胸ばかりに栄養が行って頭が回っていないはずだ!」
「そ、そんなことないですぅ! ちゃんと頭にも栄養が……じゃなくて、わ、私はポンコツじゃありませんー!」
リリスは涙目で反論したが、隊長は冷静に部下をまとめ始めていた。
「包囲しろ! 魔王を絶対に逃がすな!」
ついに逃げ道を失い、廊下の隅に追い詰められたリリス。胸がきつすぎてまともに動けない。絶体絶命だ――
そのとき、城門付近から爆発音が轟き、城が激しく揺れた。
「な、なんだ!?」
隊長が混乱しているうちに、通信機が再び響いた。
『リリス様、今のうちに中庭へ! 爆破は成功です!』
「参謀さぁん!」
爆発は、俺が密かに仕込ませておいた陽動作戦だった。俺の指示通り、魔王軍の残存兵が城門を爆破したのだ。
【魔王城・中庭】
中庭へ駆け込むと、すでに俺が残存兵士を率いて待機していた。
俺は即座にリリスの腕を掴み、鋭い視線を送る。
「よく耐えましたね、リリス様。あなたのおかげで勇者軍は完全に混乱しています」
「はぁはぁ……私、やればできる子ですよね?」
「……その通りです。あとは一気に追撃するだけです」
俺は兵士たちに鋭く指示を飛ばした。
「我々の最大の強みは機動力だ! 勇者軍が混乱している今こそ、徹底的に攪乱し、敵を瓦解させる!」
魔王軍残存兵士たちは俺の言葉に気合いを入れ、散開した。
魔王城内・勇者軍本陣
勇者軍側は完全に混乱の渦に飲まれていた。
「隊長! 食料庫が完全に破壊されました! 武器庫の武器もほとんどが所在不明です!」
「隊長! 後方部隊も魔王軍に囲まれています! 命令をください!」
隊長は青ざめた表情で怒鳴った。
「落ち着け! お前ら、これが魔王軍の作戦だと気付け! 慌てるな――」
そのとき、別の兵士が焦って駆け込んでくる。
「隊長! 大変です! 勇者様が消息不明に!」
「……なにぃっ!?」
勇者そのものが行方不明――これは致命的だ。指揮官を失い、勇者軍は完全に烏合の衆と化してしまった。
【魔王城外・臨時拠点】
俺は冷静な笑みを浮かべながら、状況を確認していた。
「これで勇者軍は壊滅状態です。指揮官を失った軍隊は、ただの無秩序な集団になる。仮説通りの展開です」
リリスは感激の涙を流し、俺の手をぎゅっと握りしめた。
「参謀さん、すごいですぅ! あなたがいなかったら、私、ただのポンコツで終わってましたぁ!」
「まだ終わってませんよ、リリス様。城を奪還するまでは……」
俺はそこで言葉を止めた。
次の通信が入ったのだ。
『参謀殿、勇者の居場所が分かりました。どうしますか?』
俺は鋭く目を細める。
「勇者はどこに?」
『……食料庫の奥で、食料を漁っているところを発見されました』
俺は眉間に深い皺を刻んだ。勇者の正体もポンコツだったのか――
「よし、すぐに確保しろ。勇者を人質にして、完全に勝負を決める!」
「さすがですぅ!」
リリスは嬉しそうに笑うが、その胸元のさらしはもう限界を超えていた。
「あっ、でも参謀さぁん……私、そろそろ胸が限界で……」
「えっ――?」
その瞬間、限界を超えたリリスのさらしが「バチンッ!」と大きな音を立てて弾け飛び、その豊満な胸が俺の目の前で露わになった。
「きゃぁぁぁ!」
「リ、リリス様ぁぁ!?」
俺は思わず目を逸らしたが、そのおかげでまたしても俺たちは新たな問題を抱えることになったのだった。
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