第2話

10時ごろ、向かったのは家から徒歩10分くらいの、黄色と青の建物が印象的なリサイクルショップだった。願わくば新品が欲しかったが、初めては通販などではなく、実物を見て買いたいという気持ちが大きかった。とはいえ、専門店まで行くのは少し億劫だったので、妥協点としてこうなった。


店に入ると、真っ先に目に入ったのは、キッチン用品や服たちだった。


そういえば、ジッポは何に分類されるのだろう。少なくとも常用ではないから、嗜好品だろう。とすると、時計とかと一緒に陳列されているのだろうか。店員に「ジッポはどこにありますか」と聞くのが一番手っ取り早いのだが、なんだか無性に恥ずかしい気がした。仕方なく、店員に聞くことは諦めて自分で探すことにした。


2階に上がる階段を登ると、財布や懐中時計などが入ったショーケースの端に細々と、一段分だけジッポが陳列されていた。愛好家の存在は知っていたので中古の品ぞろえには期待していなかったが、まさか両手の指で数えられる程度とは思わなかった。


その中で一際私の目を引いたのは、シンプルながらも開閉部分にジップの模様が入っているものだった。多少の傷こそあれど見た目がおしゃれで、ジッポとジップを掛けている所も中々洒落ていると思った。何より、ハーレーダビッドソンのエムブレムが付いた高価なものも並んでいる中で、4000円と値段が良心的だったのも、実にお財布に優しかった。このジップジッポとジッポ用のオイルを買って、自宅に戻った。

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