幻想的な世界とそれを“調律”する者の異世界ファンタジー

※※62話まで読んだレビューです。

いきなり婚約破棄と騎士からの除名を宣告され始まるこの物語。
普通であれば歓迎なんて到底できないのだが、主人公ルークは待ってましたとばかりに受け入れる。
そして訪れた辺境の村。
そこでルークはのんびりまったり昼寝三昧の隠居生活を送ろうと試みるのだが、ルークの持つ“世界調律”という特殊な力がそれをさせない。

スタートから設定とテンポの良い文章に引き込まれる。
また、“世界調律”という特殊能力を巡る人々の想いや過去の断片、仕組みが明かされて行くに従ってルークが婚約破棄を半ば望み、歓迎したのかが分かっていく。

登場人物一人一人の想いが丁寧に描かれていて幻想的な世界観の表現も秀一だ。

優しさと勘違い、それからパンと猫が好きな異世界ファンタジーファンには特に是非読んでもらいたい。