第9話 暗黒星雲より来たる者

 夜明け直前、再び眠りについた成田三郎は、重力のない宙空で目を覚ました。


 そこは“暗黒星雲”——時空と次元の歪みが交錯し、滅びた文明の残滓が漂う虚無の海。

 まるで宇宙そのものが過去の夢を見ているかのようだった。


 その中央に、黒紫の光をまとって現れた異形のオーラバトラー。

 その名は——ズワウス・ルシフェリア。


 「……まさか、こいつは……ダンバイン……!? いや、違う……これは“歪んだ記憶”の産物だ」


 背後の光の渦が開き、現れたのは、ショウ・ザマによく似た男。

 しかし彼の名は、かつての英雄ではなかった。


 「俺は“ネザ・ザマ”……存在しなかった異世界の勇者」


 彼の言葉は、成田の脳に直接響いた。


 「この暗黒星雲は、“捨てられた時間”が集まる墓場だ。

 お前が追うルシファーも、ここにある“始まりの装置”を探してる。

 だが——この地の守護者は俺だ。妄想の力では超えられん」


 三郎の胸に痛みが走る。量子スーツが、反応する。


 (こいつ……現実の記憶と虚構の意志が融合した、別次元の戦士……!)


 だが、引くわけにはいかなかった。

 夢の中にしか存在しない、成田のもう一つの自我——クオンタム・ナリタMk-IIが起動する。



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《夢界戦闘:クオンタム・ナリタ vs ネザ・ザマ》


 「オーラ力だけが妄想のすべてだと思うなよ!」


 ナリタの両腕に、反因果ブレード・デュアルモードが形成される。

 ズワウス・ルシフェリアは漆黒のオーラを放ち、空間そのものを歪めながら斬りかかる。


 ネザ・ザマ:「この世界では、“過去の否定”が武器となる。お前の記憶、すべて俺が削除する!」


 三郎:「……なら、上書きしてやるさ。俺の“想像”でな!」


 ふたりの攻撃が交差した瞬間、夢空間が崩れ始める。



---


 現実世界・京都・六角堂地下


 成田が再び目覚めた時、六角堂の地下に続く階段が開かれていた。

 そこからは、不気味な“オーラ力”が漏れ出していた。


 杏花:「……感じる。ダンバインに近い何かが、目覚めようとしてる」


 三郎は深く息を吐き、決意を込めて言った。


 「ルシファーの目的……それは“この世界を、一つの妄想で塗り替える”ことだ。

 だったら、俺たちの想像力で、抗ってやるさ——“この現実”を取り戻すために!」


---


次章予告:《秀吉・オーラシフト》


 暗黒星雲から帰還した成田たちの前に現れるのは、

 “秀吉”を名乗る異形の存在——その正体は、消えた並行世界から来たオーラ武将。


 果たして秀吉の妄想とは? そして、イオリの過去に隠された“初期接触者”の真実とは?




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