第7話 洛中決戦

 夜明け前、成田三郎は安宿の布団の中でうなされていた。


 「……くそっ、なんで俺が……また夢かよ」


 彼は夢の中で、巨大ロボと対峙していた。

 その名は——コンバトラーV。

 鋼鉄の巨体。炸裂するバトルクラッシャー。

 そしてそれを操っていたのは、かつての戦友であり、今は敵となった男——御影みかげイオリだった。


---


 幻夢空間アステロイド・ゾーン


 「よう、三郎。夢の中で会うのは久しぶりだな」


 イオリの目は冷たく、そしてどこか悲しげだった。

 彼の背後には、虚空に浮かぶ無数のアステロイド。それらはかつて消滅した時間軸の断片だった。


 「俺たちは、ただ“生き残った”だけだと思ってた……でも違ったんだよな。

 この宇宙、誰かが選別してる。都合のいい未来だけを、残してる」


 「イオリ、お前……」


 イオリは叫んだ。


 「ルシファーは、“この現実すら編集できる存在”だ!」


 コンバトラーVが動き出す。量子投影されたその巨体が、成田の意識を直接揺さぶる。

 対する三郎は、夢の中で**自分自身の分身“クオンタム・ナリタ”**を呼び出す。


 ——夢で戦う。思念が現実になる。

 この場所では、“強い意志”が力を持つ。


 量子スーツが紅く発光する。

 成田の想像した新たな武器反因果ブレードが、虚空を裂く。


 「お前が選んだ道を否定する気はない……でも、ルシファーの側に立つっていうのか、イオリ!」


 「選んでなどいない!これは——選ばされただけだ!」


 二人の斬撃が交差し、夢の世界が崩れはじめる。


---


現実・京都 六角堂


 成田が目覚めたとき、額には汗が滲んでいた。

 隣のベッドでは、杏花が既に装備を整えていた。


 「ルシファーが動いたわ。六角堂で、何かを始めようとしてる」


 「イオリが、夢に出てきた。ルシファーの側にいた。……そして、“選ばされた”って」


 杏花が目を伏せる。


 「それは、私たち“妄想兵”も同じ。私も——消された未来から来たの」


 「……!」


 成田はゆっくりと立ち上がり、量子スーツの制御ユニットに手をかける。


 「だったら……この未来、もう一度選び直してやる。俺たちの意志で」


---


次章予告:《六角堂の書》


 京都・六角堂に眠る“時空装置の原型”が目覚める。

 ルシファー、御影イオリ、そして謎の“秀吉的存在”が入り乱れる中、

 成田三郎が選ぶ未来とは——?


 そして、杏花の記憶に眠る“最初の妄想”が


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