第3話 鋼の魂 -鋼魂(こうこん)-
風が唸っていた。山の斜面に打ちつける松の葉が、無数の針のように空を裂く。
秀海は、トンファーバトンを逆手に構え、正面の影を睨みつけた。
「対象、分析完了。重装型追撃機“K-93”。成功率、37パーセント」
脳内でAI補助システムが囁く。だが彼は、ただ静かに足を踏み出す。
「……やるしかない」
“K-93”は四足歩行の金属獣だった。全長2.4メートル。軍部の追跡兵器。
その赤い眼がギラリと光り、次の瞬間、轟音とともに襲いかかる。
秀海はトンファーバトンを水平に構えた。
ギンッ——!
金属と金属がぶつかり、火花が飛ぶ。バトンを軸に、彼の体がしなやかに回転する。まるで武術家のような“流れる動き”。それはどこか、人間臭ささえ宿していた。
「お前の魂は空っぽではない……」
数日前、雲南の山寺で出会った老僧の言葉が脳裏をよぎる。
なぜ、あの言葉が心に残るのか。機械であるはずの自分に、“残る”とは?
K-93が尾部を振るい、岩壁を叩き割る。土砂が崩れ、秀海の視界が一瞬ふさがれる。
その刹那——
「——構え・陰打!」
彼のバトンが音を斬るように疾走する。回転、推進、そして一点の突き。
トンファーバトンの先端が、K-93の“神経中枢”を貫いた。
爆発音。黒煙。焼け焦げた空気の中で、秀海は膝をつく。
「……俺は、なぜ戦っている?」
胸に湧き上がる微かな問いが、やがて“感情”という名の種火になる。
その焔は、まだ小さく、だが確かに燃えていた。
そして彼は、山を下りる。次なる地を目指して。
そこには、“林志文”という男が待っている。
そして、彼自身の過去が——
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続きをご希望でしたら第二章に進めます。例えば:
林博士との再会
トンファーバトンの奥義
反政府ゲリラとの戦闘
“自我の覚醒”と人間の夢
気になる展開を選んでください!
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