第8話 助っ人を引き受けてみた

 次に乗り出してきたのが、

「災害対策局、討伐隊隊長のオーガスタ・ブランドーと申します! ぜひ、お話があります!」

 って肩書きがすごそうな人。

 曰く、俺に入隊してほしい、ってことだった。

「なんなら隊長の座を譲ります!」

 とか言いだしたんだけど……え、なんで?


 ブランドー氏の説明するところによると、災害対策局は自然災害による復旧の他、害獣被害の解決が主な仕事だそうだ。

 各地方役所に届けられた被害はそこの局員が対応する。だが、災害対策局まで上がってくるのは地方の局員では対応できないほどの案件。特にブランドー氏が出張るのは、通常の局員では駆除できないような凶悪魔物の討伐だということだ。

 ブランドー氏は攻撃魔法が得意なのだが、戦うのはまるで好きじゃないらしい。

 毎度大変な思いをして倒しているそうだ。

「討伐すると肉が食べられますが、それでも倒すのは大変だし魔物怖いし……」

「え、肉を食べるって?」

 つい遮ってツッコんでしまった。

 コイツら野菜しか食わないのかと思った。


「えぇ。とっても美味しいですよ! 特に大型で凶悪な魔物ほど美味いです!」

 ブランドー氏に力いっぱい言われる。周りもうなずいてるし。

 いや、俺も肉は好きだけどさ。

「……解体出来るんですか?」

 もやしっ子なんだし、血が怖いとか言い出すかと思ったのに……。

「解体魔法で一発ですね。得意魔法の一つです」

 簡単に言われたよ!


「……ゼロエロ、解体魔法は使えるか?」

『我に使えない魔法などないのじゃ』

 フン、と無い鼻を鳴らすゼロエロ。


 俺は片手をブランドー氏に差し出した。

「隊長はやらないが、助っ人として魔物討伐やらせてもらうぜ!」

 肉、食いたい! フィジカルを維持するのは肉だ!


 ブランドー氏と握手をすると、待ったがかかった。

「ちょっと待てい! 遺失物管理局の局長としては黙ってられんぞ! そもそも古代遺跡物調査を頼むつもりで彼に管理していた遺失物を貸し出したのだ!」

 ビーネさんが言った。そうなのか。

「今日のこの古代遺跡物テストは、どのような力を秘めているかを調査するためもあった! 本来は服の検証のため軽い攻撃魔法も受けてもらいたかったが、誰も怖くて打てなかったが……。だが! 剣は素晴らしい性能だ! 他にも貸し出しているのは、古代遺跡物調査に協力してもらうためだ!」

 ビーネさんが熱弁をふるった。


 俺は二人に向かって手をひらひら振りながら言った。

「そういうことなら、そっちも助っ人するぜ。ちょうど良かった、俺、この世界を旅してみたかったんだよ。ゼロエロとその古代遺跡物のある土地を回ったり、魔物討伐に出かけたりするわ。連絡手段をどうにかしてくれれば、俺は両方やってもいいぜ?」


 良さげな遺失物を貸し出してもらってるし、肉は食いたいし。

 もともと卒業したら海外を放浪しようと思っていた。それが異世界に変わっただけだ。

 言葉の壁はゼロエロがどうにかしてくれるし、そもそも俺、外国語習得はわりと得意だ。ゼロエロにカバーしてもらいながら現地で勉強していけばいいだろ。


 ビーネさんとブランドー氏は顔を見合わせた後、二人して俺の手を握った。

「「よろしく頼む!!」」

「任せとけ」

 世話になりっぱなしだったし、ここらで恩を返しときたいしな!

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