第8話

【影の章:継承の刃】


 影政が姿を消してから一年。

 彼の死を正式に知る者は少ない。しかし、“血飛沫の記”を継ぐ者たちは、密かに動き始めていた。


 ──影政の弟子は三人いた。


 一人目は、月岡 霧矢(つきおか きりや)。

 影政の戦術と忍法を最も深く受け継いだ男。人の心を読み、影の中に紛れ込む術に長けている。

 いま、彼は出羽の国に潜入し、“龍王”の残党を追っていた。そこでは、龍王の遺志を継ぐ“血の契り”なる集団が、再び炎を上げようとしていた。


 二人目は、明神 楓(みょうじん かえで)。

 唯一の女性弟子であり、薬と毒の使い手。影政の“策”の部分を最もよく理解し、戦わずして敵を崩すことを信条としていた。

 彼女は今、京の都にて、影政の遺した術式と「龍馬の駒」の封印について調査を続けていた。


 三人目は、九頭竜 甚八(くずりゅう じんぱち)。

 かつては山賊だったが、影政に敗れ、弟子となった男。剛力無双だが、義に篤く、裏の道に生きる者の侠気を体現していた。

 彼は今、陸奥南部で名を伏せ、村人たちを守る“影の守人”として戦っていた。



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月岡霧矢:追跡者の章


 出羽の山中、雪の舞う夜。

 霧矢は“血の契り”の集会に潜入していた。

 「龍王の魂は生きている!」と叫ぶ指導者。

 だが、霧矢はその背後に立ち、囁いた。


 「…その魂、影政の名の下に封じよう」


 一閃。誰にも気づかれぬ速さで、指導者の命は絶たれる。

 だがその夜、霧矢は一つの札を見つける。「龍馬の駒、次の継承者は京に在り」と記されていた。



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明神楓:封印の章


 京の古寺、夜の帳の中。

 楓は師・影政が書き残した巻物と対峙していた。そこには、「龍馬の駒」が第二の力を持つことが記されていた。


 「勝者に未来を与え、敗者に赦しを与える…そして、持ち主の“意志”を具現化する“最終の力”」


 その力を求め、何者かが動いている。

 楓は霧矢からの文を受け取ると、駒の在処を確かめるため、密かに“御所”へと向かった。



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九頭竜甚八:義の章


 かつて龍王が焼き払った村。その再建を手伝っていた甚八の元に、一人の浪人が現れる。


 「お前が、影政の弟子か。龍王の息子、“阿久斗(あくと)”を知っているか」


 甚八は静かに頷くと、村の奥を指さした。そこには、火を恐れ、剣を捨てた少年がいた。


 「この子が、かつての敵の血を引いている? ならば俺は、この命に義を教える」


 かつて敵だった血を、希望に変えるために。

 弟子たちは、影政の遺志をそれぞれの道で継ぎ始めていた。



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次章予告:【影の章・終焉ノ盤】


 —奪われた「龍馬の駒」。

 —覚醒しつつある“最終の力”。

 —そして、“影政の影”を名乗る謎の刺客が、弟子たちに襲いかかる。


「師は本当に死んだのか?」


 真実と継承、影に託された未来を描く終局編。



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続きを希望される場合、「誰の視点で」「どの弟子を中心に」「どんな展開にしたいか」など教えてください。


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SAINT★BORDER♟ZERO 鷹山トシキ @1982

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