水中で屈折するように歪む愛のかたち

何もかもがうまくいかなくて、自暴自棄になっていた「あたし」には、失うものなど何もなかった。

突然、目前に現れた男が「あたし」に手を差し伸べる。ある条件と交換に。
果たしてそれは、救いの手か魔の手か。

男に「飼われる」描写が、異質で幻想的で官能的だ。文章が水中で揺らめき、煌めくようにゆらゆらと二人の関係を捉える。


耽美な世界観が好きなあなたに、ぜひ。

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