第4話「魔法が使えるようになった」
翌朝。
「ふあああ。あ、おはよう」
リオル君はもう起きていて、縁側に座ってぼうっと外を見ていた。
「ねえ、お腹空いてないか? なんか食べる?」
「いらない」
外を向いたまま頭を振った。
「そうか。じゃあ食べたくなったら言って」
そんなすぐには無理か。
俺がもっと上手いこと言えたら違ったんだろうけどな。
……あ、そうだ。
あれならどうかな?
「リオル君、これだけでも飲んでね」
冷蔵庫から取ってきたミックスジュースを傍に置いた。
「なにそれ?」
「ミックスジュースっていうんだ。美味しいよ」
何も言わず飲み干してくれた。
よかった。コップ投げつけられる覚悟はしていたが。
「……おじさん」
「ん、なんだい?」
「トイレどこ?」
「ああ、案内するよ」
トイレに連れて行って、この世界のとは違うだろからやり方を手早く説明した。
用を足して出て来て、
「これ、魔法のトイレ?」
トイレを指して目を丸くしていた。
「そう思ってくれていいよ」
「……おじさん魔法使いなんだ」
「いやいや、俺は違うよ。というか魔法使いっているの?」
「パパとお祖父ちゃんがそうだった」
「へえ、じゃあリオル君も?」
「ぼくは使えないよ」
リオル君が頭を振って言った。
「あ、ごめんね」
「……ううん。戻って寝るね」
そう言って居間の方へ戻っていった。
「そうだ、魔法って俺にもできるのかな?」
アプリに聞いてみたら確かめる方法がいくつか出てきた。
その中で今できそうなのは……よし。
外に出て地面に五芒星を書いて、その真ん中に立って。
表示された呪文を唱え、魔法力があるなら手が光るのか。
やってみると、
「お、光った!」
けどすぐ収まった。
また聞いてみると、光った時間一秒ごとに魔法力が十あるというイメージか。
じゃあ俺は十ポイントか?
それで魔法が使えるようになるにはと聞いたら、五芒星の中で精霊と契約すればいいって。
ただやはり素質よるのか。
えっと、とりあえず回復魔法ができるかどうか試してみよう。
表示された契約の呪文を唱えると……。
” はい、承りました。これであなたは回復魔法が使えますよ ”
……あの、分かりやすいですけどできれば神秘的な言葉で言ってほしかったです。
” そう言われてもねえ。ああ、サービスで言いますけどあなたの場合攻撃魔法は初級聖光呪文が使える程度ですが、回復魔法やその他補助系統の魔法は最上級まで行ける素質がありますよ ”
あ、そうなんですね。
それでも結構上等ですよ。
” けど、あくまで今は初級回復魔法が使えるだけ。後はもう契約済みにしましたので、後はそのスマホを見ながら修行してくださいね ”
分かりました。
そうだ、もう少しだけ質問していいですか?
” ええ。答えられる事ならお答えしますよ ”
私はこの世界の誰かに呼ばれたのですか? それとも誰かが送り込んだのか、たまたま迷い込んだとかですか?
” ……誰かが送ったとだけお答えします ”
そうですか。ありがとうございます。
” いえそんな……あ、そろそろ時間ですので、これで失礼します ”
精霊様が去ったのが雰囲気で分かった。
しかし姿くらい見せてくれても……ダメなのかな?
さてと、回復魔法は……一回につき三ポイント消費するという感じか。
とりあえず自分で試してみよう。
魔法力で全身を覆うイメージをすると……。
おお、肌荒れが治った。
ほんと最近歳のせいかよく荒れて、手入れ忘れると粉を吹いてしまうほどだったんだよな。
これでしばらくは大丈夫かな?
っと、これからどうするか。
とりあえず家の近くを耕してじゃがいも植える準備しておくか。
あと村や畑回って作物や種、肥料が残ってないか探すか。
ところでこの世界、今は春だよな? 結構暖かいし。
聞いてみたらやはり春で、一年は太陽暦と同じ三百六十五日で閏年もあると出た。
あとスマホの日時はこちらに合わせてあるって。
それなら元の世界の日時と一緒だな。
異世界っぽくはないが、それはいいか。
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