自分と、対峙する相手。そのギャップをふたつの自販機の灯りに代入して、持つ者と持たざる者の対話のコントラストに、絶妙に絡めていく。沈んでいく主人公の心情を、ささやかな奇跡が救い上げるラストは、読者の心に弱々しくも心強い矛盾した灯りの瞬きで、路頭に迷う人が置くべき魂の在処を、きっと教えてくれるはず。
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