第二話とりあえず逃げる

僕は慌てて、落としていたメガネとウィッグを取りすぐさま逃げた。


「ちょっと待て‼︎」


「せめて名前だけでもッ」


僕はその声を無視して確認もせずに隠れられそうな教室に入った。





「ふぅ、はぁはぁはぁ」


慌てて走ったせいで疲れていたら。


「えっと君は誰かな?職員室に用があるならオ...私が聞くよ」


聞き慣れた声がすると思ったら。




しょくいんしつ?



そう聞いて声のする方を向いたら驚いた。だって目の前にいるのは担任の伊野上 咲先生(いのうえ さき)別名「無気力ホスト」がいかにも王子様感を出しながら僕に優しく話しかけてきた‼︎。


「す、すいませんお邪魔しました‼︎」


僕は全力疾走で自分の部屋がある寮まで向かった。


「待ってクラスだけでも教え...」




「ぜぇはぁはぁやっと着いた」


汗ダラダラなのでまず風呂に入った。


「後で欠席の連絡入れないとなぁー」


そう呟いて先生に連絡した後、メガネとウィッグを片付けようとしたら。


「メッ、メガネが割れてる...、ウィッグもボロボロじゃん‼︎」


二つとも使い物にならないほど壊れていた。


「どうしよう、ネットで注文しても1週間かかる」


この学園は山の奥にあるせいでそこらへんじゃ買えないものを買うのにも時間がかかる。



「しょうがない1週間は変装なしで登校するか」

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