第一話 せっかく変装したのに
僕の名前は白崎雪華、高校一年生です。僕には、前世の記憶がありその時の僕はまだ中学二年生で交通事故で死にました。そして、前世の姉がプレイしていた乙女ゲームの悪役令息に転生していた。せっかくなら剣と魔法の世界に転生したかったがそんなこと言っている場合ではない、自分はよく知らないが悪役令息である雪華は死亡エンドがほとんどらしい。二度目の人生でまた死にたくないのでなるべく周りには優しく、そして関わらずに生きてきた。
数年後
幼稚園の頃は友達がそれなりにできたが、小中あたりは友達どころか誰も話しかけてくれず僕は家族以外に笑うことがなくなり、結果的にいうとグレた。とりあえずカツアゲしていたクソ虫や、しょーもない抗争をしている集団をボコしていた。正直同じ不良仲間ができることを期待してだけど、こんなヤバい奴に近づく人はいなかった。
高校受験を考えていたら、僕が不良になったことを知った従兄弟の氷華月夜こと月にぃが発狂しながら一番入りたくない氷華学園を進めてきた。
「ヴぉねがぃだからーーーー‼︎ゔぉれぇの目の届くどごにぃいでーーーーー‼︎‼︎」
首を縦に振るしか選択肢がなかった。その上に変装しろってめんどくさそうな高校生活が始まると思っていたら。
もっとヤバかった
入学してから数週間が経った頃、食堂はアイドルのように崇められている生徒会や風紀院が使っていてうるさいので人気のないところで弁当を食べようと思ったら後ろから声をかけられた。
「ちょとぉ〜そこのブス‼︎」
「えっ、僕のことですか?」
振り返ったら人型のハムッ、体重が120キロくらいありそうな太ったおとこっ、いや女の子か。?
だめだ太りすぎて性別がわからん。
「ここに今から私のダーリン達がくるんだから早く消えてよ‼︎」
「すいません、僕もこの道を使うのですぐに消えるのは無理です」
このハムが大声出すせいで野次馬が増えてきたのでそのまま歩こうとしたらッ。
「何よッ‼︎ブスのくせに生意気よッ‼︎」
といって僕の頭を掴んで引っ張ってくる。ていうか、そんなに引っ張ったらウィッグが取れるって‼︎。
「食堂の近くでなんの騒ぎだ‼︎」
「「「きゃーー生徒会の皆様が来たーー」」」
「流石に、我々風紀院も黙って見てるわけにはいけませんね」
「「「きゃーー風紀委員の皆様ーー」」」
頭痛いのに甲高い声あげるなよ‼︎。
「ダーリン達♡もぉーみーたん寂しかったー♡」
そう言いながら僕を壁に投げつけた。ていうか猫撫で声キモっ。
ばんっ、
「早乙女さんッ‼︎何やっているんですか‼︎ 君、起き上がれ...ます...」
「救出が遅れて申し訳ない。今保健室に...運...」
あれ、さっきまでうるさかった廊下が静かになってる。ああ、あのハムが回収されてってる。というかなんでみんな僕を見て固まってるんだ?
「あれっ、なんで視界がこんな綺麗に見えてるの?」
そう言いながら、伊達メガネに触れようとしたら。
メガネとウィッグがなかった。
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