第3話 友達

家族ときたら、次は友達かな?


俺は餓鬼の頃から他人の目を気にして生きてる奴だった。

それは、家に居場所ないぶんに学校でも居場所が

なくなれば行く当てもないからである。


だからいつも笑っていた。

愛想笑いは得意だったな。


なんとなく一緒にいて、

なんとなく遊ぶ。


楽しいのかどうかより、自分に居場所を与えてくれる人達でしかなかったな。

けどな、俺にだって心はあるから良くしてもらえたら良くしてあげたい。

自分のようにひとりぼっちだと声をかけてあげたくなっちまう。


人間観察はその時から良くしていたな。

今思えばだけどな。


結局、人間になりたかったんだろうな。


中学生になってからは小説ばかり読むようになった。勉強もしやないで本ばかり。


人を知りたくて心理学系の本も良く読んだな。


そこには別の世界があった。

そのせいか一人であることも多くなり、周りには興味を示さなくなりつつあった。

多少は愛想笑いをしてたな。


当時のやつとは今はもう連絡すらとってねーし、取るつもりもない。


良く聞くよ、昔から友達、幼馴染。

俺のことよく知ってる。


だからなんなんだろうね?

意味がわかんねーや。


時間の長さが大事なのか?

そんなことはないだろ?


時間が長ければ長いほど深くなると思いたい。

けどさ、壊れるのは一瞬なのはわかるだろ?

だからさ、

長さなんて関係ないのよ。


全てに言えることだよね。

長く続いてるから離れられないと嘆くなら、

離れるべきだよ。


それから考えてみればいいのよ。

簡単な話なのよ。


でもさ、

そうはいかないってのが人間なのか。


そもそも他人なんて信用しない事よ。

信用って手前のいい言葉だよな。


自分の考えることなんて相手はわかんねーのよ。

相手の考えてることなんて自分もわかんねーのよ。

こうであって欲しいって願望を抱えて生きてんのが人間。


自分、相手様様の精神ってのは捨てた方がいいぞ。


生きてんのは自分だけ。

日によって変わるのよ。


だからって、

適当にあしらえって言ってんじゃないから勘違いはしないことだな。


俺が大事にしてんのは、

相手が何者でも

敬意を表せって事だ。


悪口言いたいだけいえばいい。

それでもよ、

その相手には敬意を見せなきゃダメだぜ。


でも、

相手には要求するなよ。


でもよ、

相手からの敬意を感じないなら、そんなやつは相手にするんじゃねーよ。

そう言うやつは底辺が低いのよ。


どんな関係の相手でも敬意は必要だぜ。

堅苦しくないものじゃないからよ。


友達、友達っていらねーのよ。

そんなものに価値を置いたら終わりだぜ。


仲間を探しな。


俺は一人だけだよ。


友達ってなんですか?




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