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概要
ここは世界から忘れ去られたけれど、まだ地図に名を残す町。マリーはそんな町で生まれた。父は町の商店街の棺桶屋の店主。母は他所の町から嫁いだ女。母が父に嫁いだのは後継ぎを生むため。この町の住民が安らかなる最期を迎えるには棺桶が必要だ。棺桶だけではない。町民の生活を支えるため、商店街にはあらゆる店が並ぶ。それは地図から名を消さないため。この町を存続させるという強迫観念のために町民は生きている。それが呪いとなった。マリーは呪いから生まれ、母は呪いで自ら命を絶った。マリーの中にあるのは町に対する憎しみのみ。それだけが生きる全て。マリーは売れない三文小説にあった殺人を実行する。父のための棺桶を造り、トリカブトという猛毒で父を殺す。マリーの狙い通り、町唯一のヤブ医者はトリカブトの毒に気付かず、急性呼吸不
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