第3話 統合





 私は気づいた。


 自分の体の内側に、宇宙から飛来したミュータントが寄生していることを。


 けれど、なぜか恐怖はなかった。「別にいいか」と思った。いや、むしろ——これが運命だとさえ感じた。


 このミュータントは地球を救うためにやってきた。


 人間の体に寄生し、操り、一気に文明レベルを引き上げる。迫り来る隕石を迎え撃つために。


 私は、その使命を受け入れた。


 人類をミュータントに統合させることで、地球の存続が可能になるのだ。純粋な人間はもはや不要。私は次々とミュータントを広め、人類を進化させていった。


 ──寄生。統合。進化。


 やがて、純粋な人間は姿を消した。


 私は高みからその光景を見下ろし、静かに息をついた。


「よしっ」


 それが、私の最後の人間としての思考だった。

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