第73話

「ーー待たせてるってどうせ男だろうな。」


クソババァの後ろ姿を見つめながらコウキが言った。


あの厚化粧、すぐ側に居なくても分かるほどの香水の匂い、そして派手な服。



「だろうな。…俺には関係ねぇ事だけどな」



クソババァを待ってるのが男である事は明白だった。


アイツはいつまでも男が尽きねぇらしい。


ババァになっても、しっかりと男を引っ掛けてるらしい。

ーー正直言って見た目は年齢よりも若く見えるし、顔も悪くねぇとは思う。



ああいう女が好きな男にとっては願ってもない相手だと思うんだろう。



そう思うのは、俺も俺で派手な女が好きな気持ちが分かるからで。



ーーーでも、最近はそれだけじゃねぇとも思う。

野々村夏実と関わってから俺の中の何かが変わった一つの中に多分そういうのも含まれてんだと思う。



見た目がどうとかだけじゃねぇって、思う。


だからこそ、クソババァに久し振りに会った今、いつもよりもずっとイライラした。



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