第70話

「エマ、おもちゃ見に行こうか。」


「おもちゃ?」


「好きなもの買ってくれるって」


「ホント?!」



野々村夏実の一言に、さっきまで大泣きしていたエマの顔が晴れていく。


野々村夏実はエマの髪を撫で、笑って頷く。


「やったー!!!」



喜ぶエマを抱えたまま、野々村夏実は歩き出し、俺たちの居る通路を曲がって姿を消した。



エマと野々村夏実の姿が見えなくなったのを確認した後、俺ら二人は振り返り、壁にもたれ掛かっているそいつの方へ顔を向けた。




「ーーあんたたち、まだ仲良しゴッコしてんのね。」


「あ?」


「ずっと二人きりで居るつもり?…でもまぁ見たところそういう訳でも無さそうね。」


「……あんたには迷惑かけないっすから。」



コウキが静かに言う。



「そうしてくれるとありがたいわ。」



そいつはキッチリと化粧をした顔でニッコリ笑った。



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