第68話

「ーーで、何があったんでしょうか?」


エマをなだめながら野々村夏実が俺へと視線を向け、「ケガはしてないようですけど…」と呟く。


俺はバツの悪い顔をし、頭を掻く。

事情を話さない訳にもいかねぇ。

エマは泣いてっし、野々村夏実もコウキも心配するのは当然で。

「何でもねぇ」じゃ済まないのは分かってる。



ーーしょうがねぇ、言うしかねぇか…



俺は重たい口を開き、




「…だから、」



と呟いた時。




「ーーうわ、マジかよ」




コウキが俺の向こう側に居るそいつを見つけたらしく、ボーゼンとそいつを見つめながら言った。



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