第61話

デパートに到着すると、エマは野々村夏実の手を振りほどいて一目散に走り始めた。


「エマ!走っちゃダメって言ってるでしょう!!」


野々村夏実がいつもの様に怒る。


が、今日のエマはひと味違ぇ。



「だって今日エマお誕生日だもん!!!」


と叫び、止まらねぇ。



「ーーてめぇエマ!迷子になったらどーすんだ!!!」


「ならないもん!!!」


そう言って走ったままのエマを俺も走り追いかけた。



「大谷さん!エマ捕獲して下さい!」


後ろから野々村夏実の声がする。


「任せろ!!!」


俺は振り返らずに返事だけをし、エマが曲がった角を同じく曲がる。


エマは全力の様だが、俺の足の速さに比べたら屁でもねぇ。


ソッコー追いついて、


「キャアアアア」


エマを捕獲してやった。



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