第26話

「食べるの早すぎませんか?よく噛まないと駄目ですよ?ーーーーはい」



が、野々村夏実は二個目のおにぎりを俺の手に置く。



「あん?」


「はい?」


「…んであんだよ」


「何です?」


「なんで二個目あんだよ」



自分から催促しておいて、差し出されたら何であるのか問いかけて来る俺に、野々村夏実は意味が分からないと言った表情だった。


野々村夏実は自分のおにぎりを食べながら、



「大谷さんがおにぎり一つでお腹が満たされる訳がないのは分かりきってる事じゃ無いですか。」



と言う。



ーー少し、俺のイライラが収まったのは、こいつがコウキの好物を知っててそれをおにぎりにしたのと同様に、俺の満腹感を得る飯の分量を分かってて二個目を用意してたから。



なんて事を一瞬思ったが、そんな事で俺様のイライラが収まるはずがねぇと心の中で頭を左右に振った。


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