第2話 ねんって何やねん⁉
大通り公園に面したホテルの会議室でみかんと店長が待機しているとノックの音と共に2人の
男が入ってきた。ひとりは知ってる顔で組織の武器や装置開発でラボの室長 牧村だった、もうひとりは、、、
『局長、ご無沙汰してます。』
『ナオト(店長のこと)久しぶりだな、遠路はるばるよく来てくれた。あと、みかんくんもありがとねー、噂は聞いてますよん。』
(みかんは軽い感じだなぁと思いつつ横にいる店長に尋ねた。)
『店長って北海道に居たことあるの?』
『3年位かな。(こいつ、やっぱ聞いてなかったなあと諦めつつ説明を続けた)その時の上司で今は局長になられた猫田さんだ。』
『ね、ねこた?そんな苗字の人初めてあったわ』
『北海道の方ではいっぱいいるんだよ。』と店長は適当な嘘を入れながら話題を変えた。
『今回は、外務省案件なんですよね。』
『そうなのねん。』
(ねんって、なんやねん!)と思いつつ、みかんは黙って聞いていた。
『中東のQ国大使館から連絡があり、石油開発庁大臣のご子息が大の日本好きで、たまたまアニメキャラクターでみた「シマエナガ」に興味を持ったみたいで是非本物を見たいと申し入れがあったねん。しかも、中東の方なんで寒いとこが苦手で室内から観たいと厳命されたねん。本来はこういった戯言なんか無視すればいいんだけど、6月に行われる石油輸出機構会議で日本への配分に影響がでるからって外務省はOkだしちゃったねん。実際は9月に行われる衆議院選挙に影響がでないように配慮されたねん。そこで我々もリサーチしたねんけどね。。。。』
(ねんが気になって、イマイチ入ってけえへんなあ。)となぜかみかんは関西弁で気になった。
『いろいろリサーチした結果、そう、このホテルから見える大通り公園8丁目の林にシマエナガの巣があったんだねん。。。』
『だねん?というと。今はいないってことですか局長。』
『そうねん。そこで我々がある作戦を立てたよん。詳しいことは牧村君に説明してもらうよん。』
(今度はよんに戻った!と少し楽しくなりながらみかんは聞き入った。)
牧村は、猫田支局長と違い淡々と説明した。
『実は、向かいに見える林にはここ数年シマエナガの目撃情報はなく代わりにエゾすずめがよく発見されていたんだ。』
『エゾすずめって、何ですねん?』みかんは何故か関西弁で尋ねてしまった。
『エゾすずめは北海道だけに生息しているすずめで、本州の2倍の大きさで且つぽっちゃりした体形をしていてシマエナガ同じ位なんだ。』(みかんちゃん、関西出身なのかなと思いつつ牧村は続けた。)
『今回の作戦は、このエゾすずめを使用する。シマエナガについてはずっと他場所も含めて調査したが札幌近辺では発見できなかった。かといって要人を山間部につれていくのも難しい状況だ。そこで議論した結果、このペイント弾を使ってエゾすずめを白く塗装しシマエナガに見せる題して【オールホワイト作戦】だ!』
『無理!無理!無理!そんなん絶対無理やわ、バレるって。』と完全に関西弁でみかんは否定した。
『もちろん、塗料は植物性をつかってるので10日ほど経てば自然と元の色にもどるし、それに素人がみてもわかないじゃん。』
横浜出身?あっけにとられたみかんが反論しようとした時、店長がしゃべりだした。
『みかん、今回はこのペイント弾が特殊で今まで使っていたライフルではなく猟銃タイプでのスナイプだ。だからこれから練習に行くぞ。当然ここじゃ市街地だから藻岩山に設営されたシュミレーションエリアで特訓だ!』
『えっ、今から?お腹すいたー、ラーメン食べたいー。』と不満をいいながら
2人は藻岩山に向かった。
つづく
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