第始終始話

 ぼくはシートから立ち上がり、彼に向き合う。校六もぼくに気付いたようだ。「はじめまして、ぼくの名前は」と一応名乗っておく。


 さて、どう戦おうか。相手の能力もわからない。しかも外に仲間までいるという。

 だが。


「シギ」

「ん?」

「死ぬなよ」

 後ろで割葉が言った。


「人間も辞めるな」

 本当にそう願っていると、わかった。

 自然とにやける。小さな男の子からのお願いだから、というわけじゃない。


「了解、割葉」


 誰かに生きていてほしいと思われている。それも、この地球から。生きなきゃいけない。無様でも。恥をさらしてでも。


 ぼくは、死ねない。死んじゃいけない。

 ……さて、それじゃはじめようか。



「突然だけど、キミ、小さい男の子は好きかい?」



 ぼくは例え、神にお願いされても、人間を辞めるつもりは、一切ない。




 ―― 終 ――

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

この世界が壊れてしまったのは、どうやらぼくのせいらしい ねすと @nesuto

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画