星の奪い合い
「皆々様、お集まりいただき大層嬉しゅうございます。この度は、
……いたって真面目ではあるらしい。ふざけてるようにしか聞こえないけど、文化の違いだろうか。
「作戦の概要やが、獲物の『
人手や頭数を求めてたのは、そういうことか。一人だとやり辛いことって、どうしてもあるもんね。
「質問いい? その現地協力者っていうのは……?」
「それはまぁ、現地でのお楽しみってことで? 強いて言うなら……そうやなぁ。
……何か嘘っぽい。そもそも龍級生物って、同じような場所にそんな沢山いないでしょ。
話を鵜呑みにするなら、これはクラゲンさん本人のことだね。
「
「せやね。どうしても
……そんなこと、可能なのかな? 普通の直感だと、それよりは釣り上げるほうがまだ現実的な気はする。
「んなこと出来るかい、って? 舐めて
それは確かに聞いたけど、そういう意味だったの?
諸々の発言を併せて考えると、この人、本当に文字通り海で生まれた龍級生物なのかもしれないね。少なくとも、普通の人間ではないんだと思う。この人も、人間のことをヒュマノって言ったし。
「腕を抑えるという話だが、我らにそれが出来る見込みはあるのか」
「奴の腕、それぞれが奴から独立して動く眷属なんよね。分けられた力次第で、弱いのも、強いのもバラバラ。我々もそれにあわせて適宜分散したり集合したり、できる範囲で力を奪うってだけなら、冒険者でさえありゃ誰でも出来るんちゃうかな、とは思っとるで。究極、気ィ散らしてくれるだけでも十分やな。いのちだいじに、な」
……どうなんだろうね。そうかもしれないけど、今までの言動も、割と基準がおかしい気がするんだよなぁ。過剰に期待されてたりしない?
「報酬については、現地での貢献度による分配。要するに、腕をたくさんぶっ殺した奴が勝ちな。後はまぁ、それに伴う経験? 最悪失敗した場合、前金と準備資金をもって代えさせて貰います。失敗ってのは、つまり
そうして提示された前金の額は、一人あたりの金額だけでも、一年間に『
……ただ、等級とかでの区別も一切なし、一律全員に等分されてるっぽいのは、どう考えても一般的じゃないね。クラゲンさんからしたら、わたしたちの差異なんて、本当に些細なものなのかもしれない。仮に人数が増えてたとしても、単純にその分だけ予算が増えてたような気すらする。
「何にせよ、
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「
「相変わらず、術師は弱腰っすな。みんな頼りになるんだし、俺らなら余裕でいけるっしょ!」
術師さんと、ショウさんが談笑してる。術師さんは、卑屈な態度の割に、意外と前向きだね。意外とやり手なのかもしれない。『
「挨拶が遅れた。トレイシー殿。『
「ん。番長さん。あれもいい経験にはなったし、気にしなくていいよ。仲良くできそうで何よりだね。改めて、よろしく」
あっちでは、ヴァンさんとトレイシーが、改めて挨拶してるね。トレイシーの方も、全く嘘は言ってなさそう。……それなのに『
「でも、それはそれとして、番長さんはおれとも手合わせしてみたいんだね。また都合のいい時にやってみようか」
「……良いのか?」
「いいよお。
直前まで朗らかだったくせに、またそんな話してるし。いちいち不穏なんだよなぁ、トレイシー。本当に、思うところはないの?
「では、いずれ。今ではあるまい」
「そうだね。そんで当然、現地でもない。番長さんなら、そんなことはしないと思うけど、一応ね」
「勿論だ。疑ってもいない」
……多くを語らなくてもちゃんと通じ合ってるみたいなの、ズルいな。ちょっと嫉妬しちゃうよ。
「
「そうだね。打診してみよっか」
『
比べて『
「ん。みんなで仲良く組もうって話してる? 番長さんはどう思う?」
「む。渡りに舟である。指揮はそちらが?」
「ありがとうございます。指揮はわたしには向いてないんで、できればお願いしようかなと……」
「承知。不肖『寡黙番長』、大任承る」
不甲斐ない。わたしも部隊指揮とか、諸々ちゃんとできるようになったほうがいいかもしれない。今まで、独りだからって自由にやりすぎたよ。反省しよ。
「そんじゃ、おれとそっちのみんなで競争しようか。負けないぞう」
「えぇっ!? 手伝ってくれないの!?」
競争に関しては、それだけ人数差があっても、トレイシーの方が勝ちそうな気もする。
「もちろん手伝うは手伝うけど、どうせなら競争もしたいじゃんか。気楽に行こうよ」
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