第4話
「おかしくなってたの… 私だけじゃなかったんだ」
彩はやっと落ち着いたのか僕を視てニコッと笑った。
ヤバッかわいい。
僕は彩のぷくっとした唇が気になってキスしようとした。
僕が彩に顔を近づけた瞬間、僕の顔に彩の張り手が飛んできた。
『今までは普通にキス出来たのに何故?』
なんておもっていたら…
「キスするときにはムードが大事なの」
彩は不敵な笑みをうかべる。
「それにね、今までは分からなかったけど今日は翔の筋肉の動きが視えるの。その筋肉がキスする様な動きだったから…」
やっぱり笑っている彩はカワイイ。
そして自然に僕の口から言葉が漏れる。
「やっと彩の笑顔が見られた。やっぱり笑顔の彩は最高だね」
彩は僕の言葉を噛みしめる様に頷いた。
そして僕の顔を抑えつけていた手のひらを外すと彩の方から僕にキスしてきた。
「あれ? 翔の額の文字が写から肉に変わってる」
彩からそう言われ洗面所の鏡で自分の額を確認すると確かにさつきまで書いてある文字と違っていた。
そしてその鏡にはうっすらと自分の筋肉の動きが見える様に感じた。
「エヘヘ、額の文字がおんなじになったね」
彩は僕の隣りに来て何かしようしてる。
僕が彼女の筋肉の動きを見ているとある事を察した。
彩が次にしようとしているのはキスだ。
彼女は少し背伸びして僕にキスしてきた。
「あれ? また額の文字が写に戻っている」
僕は額の文字を確認しようと鏡の中の自分自身とにらめっこした。
「ほんとだ。戻っている」
僕から見える景色もさっきまでと違って、筋肉の動きなんか見えなくなった。
「もしかして… 肉って文字が出てる人は『筋肉の動きが分かる』って事? そして写って文字の人はその能力を転写、コピーできるとか?」
「えっ? それじゃもう一度キスするわよ」
彩のぷくっりとした唇がもう一度触れると僕の額の文字は再び肉に変わった。
第三の目が開くとき アオヤ @aoyashou
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