第15話 ハル君③

祐介「結愛、少し前にハル君の話しが出ていたけど、その子の話しは何処にも書かれていなかったよね?これから書かれたりするのかな?」

結愛「それはオールカットで削り落としたの。その最大の原因は私もハル君をちょっと・・ちょっとだけだけど良いかな?とかあったから。他にも女子の大半がキャアキャア騒いだりで、その盛り上がりに焦点が総取りされそうだったの。それと比べたらお兄ちゃんは普通の人より影が薄かったから」


祐介「ごめんなさい。絵に描いたような非モテで」

結愛「そんな事ないよ。そのハル君はちょっと以上の特殊な感じだったの。その人の周りの事が書きやすかったらしいけど、そこリアルに笑えない話しだもの。とことん縁の無い何とか家の話しへ飛んで行くのは踏み止めた感じかな」

祐介「自分の環境が普通で、良くある話しだとは知らなかった」


結愛「やだなお兄ちゃんたら。叩き上げの社長や何かの裕福な家なんて割とその辺に住んでいるでしょ?そこそこ知られてる私立通いの子は、学校のちょい裏にお迎いが来ているもの」

祐介「あの誘拐事件はそっちの理由じゃ無かったと聞いてるけど?」


結愛「そこが笑える話しだから書入れたかったらしいけど、自分の息子を可愛い女の子に装うお母さんはその風体を学校に否を出させないとか、そこを小さく纏められなくてオールカットにしたみたい。そのお金とか家柄云々が沢山散らばっても、興味が削がれるとの判断ね」

祐介「それならお嬢様達が通う学校をメインとすれば・・ハル君は男の子だけど」

結愛「通えないからそれでもカットだよ」

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