第12話 ハル君?②

結愛「お兄ちゃんは覚えてるかな?ハル君って子の事」

祐介「確か誘拐され掛けた男の子だよね?結愛から見ても可愛らしい感じだと聞いたと思う」

結愛「うん。その子が最近週末になると失踪するの」

祐介「良く解らない失踪話しだね。その家庭の事情での留守を、失踪とは言わないと思うけど」


結愛「そのハル君を連れて行く子達は、同い年くらいの従姉妹らしいの」

祐介「その子達だと特定したなら行く先は決まるから、他の人もいるのかな?」

結愛「そう。もう一組の従姉妹と違う従兄妹が確認されてるよ」

祐介「よくもまあ、同世代のいとこがこの学校に集まっていたもんだ」

結愛「同校の生徒ではないけど、入校の許可が降りてるの。その詳細を知る事は出来ないから、ハル君の追っかけの子達は彼が攫われた気分なの」


祐介「それは仕方ないと思うよ。今の通学途中は防犯対策の見直しがされたけど、彼がその被害に在ったからだからね。それまでは家庭での自助力に丸投げされていたもの」

結愛「認識が間違っているんだよ。歳も体も幼いからと学校から早く帰宅させるのは、そこを保護する者をより一層限定する事に成るでしょ?」

祐介「同じ学校生徒での集団登下校は、高水準の規律として推奨されてるよ」


結愛「その不足を補って貰うのに、お兄ちゃんの力に頼っているんだよ。下校時間には合わせられないけど、中学生のお兄ちゃんと登校するのは、現状最大の抑止力ですよ」

祐介「その力を発っする片腕を、結愛が塞いでる状態にあるけど」

結愛「それは必要な処置だよお兄ちゃん。寒い冬には暖や温もりも必要で、厳しい夏下にはオアシスとしての癒し効果があるんだよ」


祐介「その快適がよく解らないけど、防犯としての抑止力には成っていたいな」

結愛「大丈夫。私とお兄ちゃんの怪しい関係が、眉唾な噂だけど広まっているので、悪目立ちの抑止力を発揮しているよ」

祐介「それは違う危険を呼びそうだよ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る