第7話 ハル君?①

結愛「覚えてるよ。あの時に誘拐されそうに成った子でしょ?それは聞かれれば思い出す事件だけど嫌な過去を引き摺っていそうでは無いかな?」

祐介「そこは当人にとって忘れられない事件じゃないかな。救援者に助けられた時には裸にされていたんだから日増しに嫌悪に苛まれてもおかしくないよ」

結愛「そうかな。その着替えをするのは躊躇わないから、周りにいる男の子はちょっと困っているけど」


祐介「不憫に思われるのが嫌で我慢してるとか」

結愛「それは言ってたみたいだよ。あの後のしばらくはその時に一緒にいた女の子が可哀そうだって」

祐介「自分よりも一緒にいた子を気に掛けてるのは立派だけど、そんな彼女の悲劇は推し量れて上げれないよ」


結愛「そこが難しかったかな。その一緒に被害に遭遇した女の子は危害が加えられる前に助けられたけど、女の子としてのプライドがね・・何故ハル君が先に脱がされたのか?」

祐介「ハル君?」

結愛「その被害を受けた子だよ。そこは男の子だからホイホイと逆らわずに脱いだらしいの、その傍に一緒にいた子は次の自分の運命に怯えたと言ってたね」


祐介「良く解らなく成って来たけど、その犯人は痴漢?それが誘拐事件まで大きく成ったんだよね?」

結愛「そこは間違いなくって聞いてるよ。そのハル君を見て犯罪へと走ったみたいだけど、勘違いしちゃうほど可愛いから」

祐介「・・可愛いの?」


結愛「そのハル君のお母さんは地毛ですって白を切ったらしいけど、肩までの髪が茶パツに染められちゃってるの。それが凄く似合ってとっても可愛いから許されてるのと、軽いツンな所が男女の受けが良くて周りはファンだらけよ。そこの極め付けが髪を切って男らしくって、そんな形振り構わずが特盛で嫌がる人はいないよ」

祐介「でもその髪を切った訳じゃないんだよね?」

結愛「うん。お母さんが泣いて止めるから今は我慢してるって話しだよ。お母さんに優しいよね」

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