世界は何で出来ている

自分が存在する世界はとっても気持ちが悪い。


青空が広がっていたと誰かは言うが、自分の目にはヘドロの様に淀んだ空が映った。


毎日、身体は震える程冷え、眉間に皺が寄っている。身体を動かそうにもナマケモノと同じくらいのスピード感。


背中に何トンものおもりを背負っているかの様だ。


人間の顔には仮面や刃物が装備されている。


顔を見るのが途轍もなく怖い。


背中には幾万もの手が蠢いていたり、吐き気を催すような真っ赤で刺々しい何かを放っていたり。


行動から感情まで全てに嫌気がさす。


この世界は不安で渦巻いている。


不可解が自分を襲う。


何事も為せず、上手くはいかず・・・。


いつしか、殻に閉じこもってしまった。


この世界は本当に・・・


「気持ち悪い」


それが私の世界。






まだ・・・世の中がある。


それは素敵な事だ。


天気は快晴。


今日もまだ、緑に育った自然が自分を生かしてくれている。


土地を踏めるのは、未だに災害が起きていない御陰。


災害を起こしていない御陰。


それと、身体が動いてくれる御陰だ。


時には見えない誰かが自分の背中を押して、


時には自分で自分のお尻を叩き、


時には、優しく包み、休息を与えてくれる。


全てが誰かの親切で成り立っている。


木が今日も立派だ。


喜びという表現を感情が・・・素粒子が表現をしてくれている。


暖かい世の中だなぁ。


自然と口角は上がる。


身体に巡る熱にすら、そう思う。


正直、この世の中は淀んでいる。


それは変わらない結果だ。


けれど、だからこそ誰かの暖かみが当たり前で無い事、貴重であると深く感じる。


無限に見える自然は崩壊の一途。


消滅すると言うことは有限であると言う事。


限られている。それは当たり前じゃないことを意味している。


ああ・・・この世の中で当たり前とされている事はどれだけ素敵で奇跡的な体験だろう。


ここに存在できるのは、皆の御陰だ。


今、生きられるのは皆の御陰だ。


この世界に「ありがとう」


感謝でしかない。


感謝を伝えに行こう。


熱が冷めないうちに。

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