　高校では、前回と異なりマイペースに過ごした。

　同じ陸上部に入るも、顧問には真っ向から反抗し、無理をせず自分のペースで走り、土日はサボった。

　放課後の部活も早めに切り上げ、ゆっくりと駅へ向かう。

　親にも反抗し、帰りが遅くなっても文句を言われなくなった。

　勉強についても、なんとなく赤点は避けつつ、ほどほどに頑張り、高卒で公務員試験を受けるべく自主学習に励んだ。

　親には大学へは進学せず、就職すると伝えた。

　大学の重要性を散々説かれたが、聞く耳を持たなかった。

　「公務員」という単語でなんとか説き伏せた。

　ついでに、大学分の資金を自由に使えるようお願いした。

　ふざけるなと言われたが、毎日毎日言い続けたことで、最終的には親が折れた。

　これで軍資金の目処が立った。

　また、マイペースが良かったのか、不安障害も徐々に姿を消していった。

　葵とは仲睦まじく過ごしている。

　特に問題はないはずだ。

　お互いの部活の大会を観戦し合い、以前はできなかったことができている。

　幸せなんだろう。

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