2015/1~5

 まずは、自分の親に直接、婚約したことを伝えに行った。

 不仲ではないが、良好でもない。そんな関係性。


 案の定、結婚には否定的だった。

 いわく、「まだ若いのに、そんなに早く決める必要はない。」

 「彼女はちゃんとした仕事に就いているのか。」

 「仕事に就くなら安定した職に、結婚するなら安定した職の女の子。」

 昔から口酸っぱく言われ続けてきた。


 ――吐き気がする。その考え。

 「おめでとう」なんて言葉を、少しでも期待した私が馬鹿だった。


 「別に認めてもらう必要はない。あなたがたの許可なんて必要ない。ただ、私は彼女と結婚する」

 そうだけ伝えた。


 不服そうな顔をしていたが、無視して報告を終えた。


 その後、互いの両家に挨拶をしに行き、両家の顔合わせを行った。


 ◇


 予定通り、彼女は仕事を辞め、転勤族の私についてきてくれた。

 互いに引っ越しを終えた新しい部屋は広く、二人で「使い切れないね」って笑い合った。


 そして5月5日、一緒に婚姻届を提出した。

 必ず祝日であること。

 同い年であること。

 これらを考慮して、入籍日を決めた。


 彼女にとっては、新天地で不安なことだらけだろうが、しっかりと支えていこうと改めて思った。

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