2013/4~2014/12
札幌に転勤になった。
遠距離恋愛は思ったより辛くはなかった。
毎日チャットで連絡し、土日はビデオ通話をして、2~3か月に一度会う。
彼女は親から一人旅の許可がおりなかった。
だから付き合っている段階で、彼女の両親に挨拶をしに行った。
無事許可がおり、交互に逢いに行くようになった。
スープカレーは互いに好物になった。
逢っている時間は少ないが、順調に仲を深めていく。
彼女が就職した。
彼女は一生懸命だった。
辛くても一生懸命頑張る彼女の姿に、私は尊敬の念を抱いた。
とても私には真似ができなかった。
けれど、それは無理をしていたのかもしれない。
真綿が水を吸うように、彼女は疲弊していった。
私にできることはなんだろうか。
疲弊していく彼女に、声をかけ続けるのが正しいのだろうか。
考えに考えた結果、プロポーズをすることにした。
彼女を仕事から遠ざけ、疲弊を止めるため。
彼女には、取り返しがつかなくなる前に休んでほしかった。
もちろん、大好きなことに変わりはない。
結婚なんて、もともとはもっと先の予定だったが、後悔はない。
特にサプライズもなく、私の部屋で伝えた。
「桃佳が好きです。結婚してください」と。
彼女の反応はなかった。
やはり、まだ早かったのだろうか。
いろいろな思考が巡りそうになる前に、「はい。お願いします」と返事が来た。
私たちは婚約した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます