第10話 一番星の約束
夜空には、無数の星が瞬いていた。
山の上の展望台から見上げる星空は、まるで宝石を散りばめたように美しかった。
「なあ、もし俺が先にいなくなったらさ——」
あの日、遼がそう言った。
「……何だよ、縁起でもない」
俺は笑いながら言い返した。
でも、遼はふっと笑って、星空を見つめたまま続けた。
「俺たち、どっちが先に夢を叶えるか競争してるだろ?」
「まあな。お前がプロのサッカー選手になって、俺が宇宙飛行士になるってやつ」
「もし、俺が先に行けなかったらさ——一番星になって、お前を見守るよ」
「……バカ言うなよ」
俺はそう言いながらも、その約束が妙に胸に残った。
そして——
遼は、本当にいなくなった。
病気だったなんて、俺は知らなかった。
最後の試合の数日前、突然の訃報。
何もできなかった。
俺は、ただ呆然と空を見上げることしかできなかった。
あれから一年。
俺は夢を追い続けた。
そして、ついに今日。
「遼——見てるか?」
俺は、宇宙飛行士として初めてのミッションを迎える。
打ち上げ前の夜。
夜空を見上げると——
一番星が輝いていた。
「約束、守るからな」
俺の夢は、星へと続く。
そして、遼はきっと、そこで待っている。
一番星の約束。
それを胸に、俺は空を目指した。
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