第3話 しょうらいばいく、にくくいねぇ前編

 早くも三話。

 やっぱり死ってのは最大級のネガティブストレスだから、くれぐれも自己防衛をよろしくね。


 自分の死を意識するようになったのは、ここ十年だと思う。

 死後がどうって話は、ここではなし。

 あくまで生きてる今の話。


 

 ふと思い出した知人の死。

 それに起因してか、思い出せる限り思い出してみる。


 で、2つの別れが対局に思い浮かんだ。


 一つは十代の頃の別れ、もう一つは三十代になってからの別れ。

 まあ、どちらにせよ早い別れではあるんだけど。


 前者との別れは、学生時分。

 中学まで一緒の学校だったTくんから久しぶりに連絡があった。

「バイト始めたから遊びに来てよ」

 彼のバ先は、田舎に初めて出来た深夜営業のファミレスで、未成年だったから、夜間帯っていうか、当時は22時までしか働けないとかで、(だったと思う)その時間に合わせて遊びに行った。

 

 その後、バイト明けから客へと変わった彼は、ドリンクバーとポテトをごちそうしてくれて、朝5時くらいまでどうでもいい話とか、将来の目標の話やらをしてくれた。

 どんな車がほしいとか、どんなバイクがほしいとか、大学は行かずに就職するんだとかね。

 学校に内緒でバイクの免許を取ったとか。

 あと、嫌いな先生の話とかだったと思う。


 その数日後、彼はバイク事故で亡くなったって、知人から聞いた。

 高校の同級生は葬式に参列したらしいけど、中学の時の友人には、知らせは来なかったから、私は49日後に、仏前に座らせてもらった。


 驚き以外の感情は特になかった。

 葬式に出てないし、ご遺体も見てないから余計実感がなくて。

 事故現場も、私は聞かなかった。

 多分、実感したくなかったってのと、仏前に座る私の横で、彼のお母さんが半分涙目になってたから聞けなかったのもある。


 風化はしてない。

 その時の状況は割と鮮明に覚えてた。

 多分、引き出しにしまってたんだと思う。そしてまた開いた結果、ここに記したわけです。



 そして、もう後者の件ですが、それは後編ということで。

またお付き合いくださいな。

 


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る