第15章

街人:火事だーー!!!誰か助けてくれーー!!!

未無がシェルター街に戻ると、家が何棟か燃えていた。

氷凍:はーい!今行きますよーー!!

「異能力:氷結!!」

氷凍が手袋の外れた両手で家に触れると、家が全て凍ってしまった。

未無:先輩、やりすぎです。

見守っていた未無が後ろから声をかける。

氷凍:あぁ、未無か。やりすぎたな、アイツを呼んでくる。

未無:あぁ、彼ですか。それじゃぁ、その間、少し活動しておきますね。

氷凍:リーダーはやらなくていいんだよ。こういうのは、下の者がやるって相場が決まってんだよ。

未無:リーダーだからこそ、現場を知らないといけません。現場を知らないことには、指示も何もないですから…。

氷凍が微笑む。

氷凍:…大人になったな、未無。

未無:いえいえ、それほどでも…。

そうは言いながらも、未無の頬には涙が伝っていた。

氷凍:それじゃ、呼んでくるよ。

未無:はい。…いってらっしゃい。

数刻後。

炎燃:あぁ、またか。お前。

炎燃はシェルター街に着いて早々に、そう口にした。

氷凍:いやぁ、やりすぎちゃった…。

炎燃:…まぁいい。

炎燃はそう言うと、両手の手袋を外す。そして、両手が氷に触れる。

「異能力:炎熱!!」

そう言うと、両手に触れていた氷が、跡形もなく消え去った。

未無:氷が解けるのは分かりますけど、水が出ないのが不思議ですね。

氷凍:異能の加減を調節してくれたんだよ、ね?

氷凍が振り返ると、炎燃はもうそこにいなかった。

氷凍:あの野郎…。まぁ、いっか。

氷凍は少し微笑む。

未無:あ、そうそう…。

両手に手袋を着けている最中の氷凍に声をかける。

未無:ヒーロー諸君は基地に戻るように、と長官からのお達しです。何か重要な知らせがあるみたいですよ。

氷凍:そうか、すぐ向かう。他のヒーローのみんなも、聞いてたよな?…帰るぞ。ヒーロー基地に。

ヒーローたち:はい!

ヒーローたちは全員、ヒーロー基地へと帰っていった。長官からの知らせを聞くために…。

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