第12章

ヒーローAI対戦が終戦したあと、僕たちヒーローは職を失ったかに思われた。何せヒーローAI対戦で、人間の長年の敵であったAI軍を倒したのだ。ヒーローという職業はお役御免になるかと思われていた。しかし…。

長官:ヒーロー諸君、おはよう。今日も元気かな?

長官は僕たちヒーローを改めてヒーロー基地に集めた。

長官:分かるぞ…。人間の敵は、AI軍は倒した筈じゃ…っていう顔をしているな。実はな…ヒーロー諸君が奮闘して倒したAI軍。そのおかげというべきか、全世界の文明が今、膠着状態にあるのだ。その状況をどうにかするべく、再びヒーロー諸君の出番というわけだ。

未無:それじゃぁ、僕たちはどうしたら…。

未無は長官に問いかける。

長官:…案ずることなかれ。今ヒーロー界の上層部が、どうすればこの膠着状態を脱することができるか…真剣に議論している最中だ。答えがいずれ出ることだろう。その時まで、ヒーロー諸君には、現地での救済措置をしてほしい。具体的に言えば、生活ライフラインの確保や治安の安定などだな。各々が持っている異能によって、救済措置の向き不向きがあると思う。そこはお互い、補いあって取り組んでほしい。私からは以上だ。あ、何か分からないことがあれば、未無君に聞くように。彼は上層部も目をかけるほどの、素晴らしい逸材だからね。よろしく頼んだよ、未無君。

ヒーローの視線が未無に向けられる。

未無:…承知しました。皆さん、何か分からないことがあれば、ぜひ僕に聞きに来てください。僕もできる限り、助力します。…頑張って、今できることを精一杯しましょう!!

未無はヒーローたちに向けてそう言った。

ヒーローたち:おぉーー!!!

ヒーローたちは口を揃えてそう言った。

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