第8章

ヒーロー基地。

長官:今回も配置を変える、よく聞くように。前衛をZランク隊とCランク隊。中衛をAランク隊。後衛をSランク隊とBランク隊。それでは、配置につけ!

ヒーローたち:はい!

長官:AI軍が進軍開始、攻撃に備えよ。

無線が切れる。

未無:(今回のメンバーは4人。Zランク隊の真司先輩、白化先輩、飛天先輩とCランク隊の僕だ。風華は体調を崩して療養中だ。風華のことは少し心配だけど、今は戦況を見ることに集中しないと。今回はいつもより少し負担が増えるけど…全て背負い続けると決めたんだ、頑張らなくちゃ。)

真司:俺が全て破壊する。お前らは退いてろ。

そう言って真司は両手の手袋を外す。

白化:いいや、僕が異能を暴走させて管轄内全てのAIを味方につける。君らに出番はないよ。

そう言いながら白化は両手の手袋を外す。

飛天:いや、私が全員宇宙に飛ばす。出番は与えない。

そう言っている飛天の両手には既に手袋はなかった。

未無:(うわぁ、先輩方…バチバチだぁー…。)

未無:えぇっと、とりあえず白化先輩の異能暴走案は却下で。それと真司先輩と飛天先輩は落ち着いてください。

白化:未無。僕の案が1番いいと思うのだけど?

白化はムッとした顔で未無を見つめる。

未無:白化先輩、異能を故意的に暴走させるのは認められません。それに、万が一、暴走した場合、僕が異能を無効化しなくてはいけません。

白化:どうしてだい?僕の異能の暴走は他害しないじゃないか。

未無:他害しないとしても、です。

未無はこれまでにない圧と冷たさと鋭さで白化を落ち着かせる。

白化:…分かった。僕は大人しく、下級AIをハッキングしとくよ。

未無:(よし、白化先輩はこれでいいとして。問題はあの2人だな。どうにかしないと、どっちが暴走しようと危険な未来しか見えない。)

未無:とりあえず、真司先輩と飛天先輩。落ち着きましたか?

飛天:私は大丈夫だ。

真司:俺もだ。

未無:ならよかったです。お2人は別行動でお願いします。暴走したら、僕が行くので安心してください。

飛天、真司:分かった。

ヒーロー基地。

長官:ヒーロー諸君、ご苦労だった。今回でデータを新しく取るのは終わりだ。あとは上の指示を仰ぐが、AI軍の戦力が底をついているとの情報が耳に入っている。恐らく明日が終戦日と考えていいだろう。私も膨大な量のデータを元に配置を決める。ヒーロー諸君、今日まで本当に頑張ってくれた。心から感謝する。それでは、解散!

ヒーローたち:ありがとうございました!

ヒーローたちはそれぞれ帰路につく。

未無:明日で終戦、か。どういう結果になるかな。このままこっちが勝つか、あるいはAI軍が逆転してくるか…。いやいや、余計な考えは抜きにして、今夜は早めに寝よう。

未無はそう言って帰路に着いた。

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