第6章
ヒーロー基地。
長官:ヒーロー諸君、今回も配置を変えるぞ。よく聞いておくように。前衛をZランク隊。中衛をBランク隊とCランク隊。後衛をSランク隊とAランク隊だ。それでは各々配置につけ!
ヒーローたち:はい!
長官:AI軍が進軍開始、攻撃に備えよ!
無線が切れる。
未無:(今回のメンバーは4人。Cランク隊の僕と風華、Bランク隊の炎燃先輩と天開先輩だ。前回までみたいに2人きりじゃないから、気を配るところが多いけど、しっかり目を向けよう。)
炎燃:…………。
天開:ほら、それより前は管轄外。戻るよ。
炎燃:…俺はここで待つ。
天開:…分かった。じゃぁ、僕は炎燃の後ろの方にいるから。
未無(先輩達、ちゃんと連携取れてるな。でも、あんなに前だと危険な気が…。)
「異能力:炎熱!」
炎燃がそう言ってAIの体に触れると、AIが炎に包まれた。その直後…。
「異能力:回転!」
天開がそう言ってAIの体に触れるとAIがくるくると回り、混乱した様子を見せた。
未無:今だよ、風華!
風華:分かってる…!
「異能力:風化!」
そう言って、炎に包まれ、混乱している様子のAIの体に触れると、AIは風と共に朽ちていった。
未無:先輩方、風華!連携バッチリです!初めての連携とは思えません!
未無が喜々として言う。
炎燃:ぬか喜びをするな。
天開:そうだよ。今は戦いの最中、気を抜かないこと。ね?
未無:し、失礼しました!
未無は改めて集中して戦況を眺めていた。
ヒーロー基地。
長官:今回もいいデータが取れた。今後の戦略の参考にさせてもらう。それでは解散!
ヒーローたち:ありがとうございました!
ヒーローたちがバラバラに去っていく。
天開:未無!
天開が去り行く未無を呼び止める。その横に、ひっそりと炎燃がたたずんでいた。
未無:何ですか?天開先輩、と炎燃先輩。
炎燃:…よくやったな。
天開:僕たちの連携についてこれたのは、君たちが初めてだよ。
未無:あ、ありがとうございます。
天開:その調子で次も頑張ってねー。
炎燃:…よろしく頼む。
天開は未無に背中を向けて手を振りながら、炎燃は頭を下げて去っていった。
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