15話 狼さんいらっしゃい、さようなら

広間の向こうから響く狼の唸り声と足音が近づき、暗闇から3匹の狼が姿を現す。丘菟が「僕とリルの時は1匹でしかなかったのに、3匹のグループか!」と驚き、リルが「うわっ、大きいね!」と目を丸くする。先程平原で戦った角兎とは違い、狼達は統率が取れているようで、左右に広がりながら間合いを詰めてくる。丘菟が「分断して戦うのは無理そうだな。総力戦になるぞ」と剣を構える。アソンが「ふぅ、面倒ね」と扇を手にし、ピヨニットが「お嬢様、気をつけて!」と身構える。セバスは冷静にエストックを手に持つ。

丘菟が「盾を持つのは僕だけだ。気合いを入れて敵愾心を集めるよ!」と円盾を前に突き出し、「オラァ!」と叫んで狼達の注意を引く。セバスが「盾は持ちませんが、盾のない側の面をサポート致します」と丘菟の右側に立ち、「御意に」と呟く。丘菟は「後衛の位置取りは任せたよ!一応低い姿勢で守るから、頭の上からも攻撃は大丈夫だと思う」と膝を少し曲げて構える。リルが「分かった!丘菟、頑張ってね!」とタクトワンドを握り、アソンが「ふふ、私の美貌が後衛で輝くわ」と扇を広げ、ピヨニットが「私が援護しますわ!」とダートナイフを手に持つ。

戦闘が始まる。「グルル!」と狼1匹が丘菟に飛びかかり、「ガン!」と盾で弾く。左から2匹目が牙を剥いて襲うが、「シュッ!」とセバスがエストックで突き刺し、「ギャン!」と悲鳴を上げて後退させる。3匹目が丘菟の頭上を狙うが、低姿勢の盾で「ドン!」と跳ね返す。リルが「光弾!」と叫び、光の矢が2匹目に命中、「グゥ!」と怯ませる。アソンが「エアカッター!」と扇を振り、風の刃が1匹目の脇を切り裂く。ピヨニットが「御主人様の為に!」とダートナイフを投げ、3匹目の背中に「ガッ!」と刺さる。狼達は統率を崩さず円を描くように動き、丘菟を挟むが、「僕が動かなければ隙はできない!」と盾を叩いて挑発。狼1匹が再び突進し、丘菟が「今だ!」と剣で袈裟斬り、「ズバッ!」と胴を切り裂き倒す。2匹目がセバスに襲いかかるが、「フッ!」と身を翻しエストックで喉を刺し、「ギィ!」と絶命させる。残る3匹目が咆哮を上げ飛びかかるが、リルの「フレイム・バースト!」とアソンの「エアブラスト!」が同時に炸裂、「ボン!」と炎と風が絡み合い、狼を焼き尽くす。戦闘は終わり、3匹の狼が白い塵と化す。

丘菟が盾を下ろし、「ふぅ、やったな」と息を吐く。リルが「丘菟、すごいよ!盾がカッコ良かった!」と駆け寄る。アソンが「ふふ、私の風も見事だったでしょ?」と扇を閉じ、ピヨニットが「お嬢様、素敵ですわ!」と目を輝かせる。セバスが「見事な連携でございました。お嬢様と丘菟様の勇姿、目に焼き付きましたな」と微笑む。丘菟は「統率が取れてたから焦ったけど、みんなの援護で何とかなったよ。後衛の攻撃が効いた」と振り返る。リルが「3匹でも私達なら平気だね!」と笑い、アソンが「まぁ、私がいる限り負けるはずないわ」と胸を張る。

第二の試練をクリアした一行は、広間の奥へと目を向ける。「さて、残すは第三の試練のストーンガーディアンだな。僕とリルがパーティーに参加してるけど違いがあるのかだな」と丘菟が呟くと、セバスが「試練は続くもの。この先に何が待つのか、楽しみですな」と言う。ピヨニットが「水滴より狼の方が怖かったですけど、勝てて良かったです!」と少し誇らしげだ。アソンが「次も私の美貌で圧倒してあげるわ」と意気込み、リルが「うん、次も頑張ろう!」と拳を握る。丘菟は「よし、気を引き締めて進むぞ」と剣を手に、再び暗い通路へと歩を進める。

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