11話 討伐完了、ワールドデビュー
ビックラビットの白い塵が平原の風に舞い、丘菟は円盾を下ろして肩で息をする。「やった…!」と呟くと、リルが「丘菟、すごいよ!」と駆け寄り、アソンが「ふふん、この美貌が勝利を飾ったわね!」と扇を閉じる。ピヨニットが「御主人様、お疲れ様です!」とスカートの裾を持ちお辞儀し、セバスが紅茶を飲み終え、「見事で御座います」と近づいてくる。仲間達が互いに笑い合う中、突然、空に澄んだアナウンス音が響く。「ピロピロ~ン♪」と軽快な音色が流れ、全員が顔を上げる。
「リンク・ワールドよりお知らせです。エアルーン平原にて、角兎のレアモンスター『ビックラビット』が初めて討伐されました。おめでとうございます!討伐者: 丘菟、アソン、リル、ピヨニット、セバースチャーン!」と機械的な女性の声が告げる。丘菟が「えっ、僕らの名前が!?」と驚き、リルが「すごいすごい!みんなに知られちゃうんだね!」と目を輝かせる。アソンは「ふふん、この美貌がワールドに轟く瞬間よ!」とドレスを翻す。アナウンスが続く。「ビックラビット討伐に伴い、エアルーン平原の角兎カウントが更新されました。これまでの討伐数: 51200匹。新たなカウント: 0匹より再開します。次なるレアモンスター出現にご期待ください。」
丘菟が「51200匹って…サーバー内だとそんな規模なのか」と呟くと、アソンが「ふーん、私達が倒した数が積み重なってビックラビットがポップしたってわけね。美貌の力で引き寄せたってことでいいかしら?」と笑う。リルが「ねえ、ママからだ!」と端末の「ピコン!」という音に反応し、画面を見やる。「ママが『討伐おめでとう!報酬を決めるダーツルーレットがポップするから、丘菟とアソンでダーツ投げてね』だって!」と興奮気味に言う。すると、一同の前に光の輪が現れ、ダーツルーレットがポップアップする。
円形のボードには「ビックラビットの毛皮25%、腱6%、肉50%、ビックラビットを模ったシルバーの像3%、使い切り召喚チケット1日を5枚綴り1%、通常角兎の角15%」と書かれている。アソンが「ふふ、肉が半分占めてるけど、召喚チケットが気になるわね」と目を輝かせる。丘菟が「ユーザーのみか。僕とアソンで3投ずつだな」とダーツを受け取る。リルが「丘菟、アソン、頑張ってね!」と応援し、ピヨニットが「お嬢様、素敵な報酬を!」と手を叩く。セバスは「的確な投擲を期待しております」と紅茶を啜る。
丘菟が最初に投げ、「シュッ!」とダーツが「ビックラビットの肉」に刺さる。「まあ、悪くないか」と笑う。アソンが「私に任せなさい!」と扇を振るように投げ、「角兎の角」に命中。「何!?束子枠じゃない!」と膨れる。2投目、丘菟は「毛皮」、アソンは「肉」。3投目、丘菟が「ビックラビットを模ったシルバーの像」に当て、「おっ、珍しいのが出た!」と笑う。アソンは気合を入れ、「召喚チケットよ来なさい!」と投げるが、「腱」に刺さり、召喚チケットの枠からわずか数センチズレる。「あと少しだったのに!」と悔しがる。
ルーレットが消え、報酬が端末に転送されると、丘菟が「肉、毛皮、シルバーの像か。像って何に使うんだろうな」と呟く。アソンが「ふん、腱と肉と束子ね。召喚チケットがあと一歩だったのが悔しいわ。でも、次は美貌でレアを必ず引き当てるわよ!」と気を取り直す。丘菟は「とりあえず、安全地帯に戻って休もう」と提案し、リルが「うん、賛成!」と手を挙げる。アソンが「美貌も休息が必要だしね」と頷き、セバスが「お嬢様、荷物をお預かりします」と近づく。丘菟が「トランジット!」と唱えると、光の粒子が5人を包み、エアルーン平原の安全地帯へ転移する。戦いの熱気が収まり、仲間達は報酬と休息を手に新たな冒険へ思いを馳せる。
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