9話 ビックラビット軍団との戦闘3

丘菟はビックラビットの攻撃を盾で受け流しつつ、リルと連携して足を狙う。「パン!パン!」と光弾がビックラビットの前足に当たり、「ピギッ!」と一瞬よろける。平原に戦いの熱気が渦巻く中、これまでに角兎は5匹から2匹減り、残り3匹となっていた。リルとセバスの連携で1匹、アソンとピヨニットのエアブラストで1匹が倒れている。アソンは扇を手に「ふふん、この美貌が戦場を制するのよ!」と笑うが、内心ではセバスとピヨニットの働きに舌を巻いている。その時、アソンとピヨニットが再び動く。ピヨニットが「御主人様の為に!」とダートナイフを投げ、角兎の足に突き刺さると、アソンが「エアカッター!」と風の刃を放ち、角兎を塵に変える。これでさらに1匹減り、残り2匹となる。

セバスがエストックを構えたまま、落ち着いた声で言う。「お嬢様、ピヨニットさん、こちらの2匹は私にお任せ頂いてもよろしいでしょうか?」と。三白眼が鋭く光り、白手袋の手が静かに下がる。アソンは一瞬目を丸くし、「成る程」とその理由に気付く。「あれだ!ここは若い者に任せてってあれでしょ!ボスを譲る的な感じの?!」とドレスを翻して言う。ピヨニットは「何の話だろう」とぼんやりした顔で首をかしげ、メイド服の猫耳がピクピク動く。セバスが「はは、お嬢様は察しがよくて助かりますな」と微笑み、「お嬢様、ご命令をこのセバスに」と頭を下げる。カイゼル髭が微かに揺れ、執事らしい威厳が漂う。

アソンは扇をパタパタ振って、「有無、分かった!雑魚は任せるよセバースチャーン!!」と命令する。セバスが「承りました。お嬢様もお気を付けて」と返すと、エストックを手に残る2匹の角兎へ向き直る。やっと状況を理解したピヨニットが「執事長、頑張ってくださいね!」とスカートの裾を持ち、いつものお辞儀をする。細い尾がメイド服の中で揺れ、セバスが「有り難う、ピヨニットさん」と微かに頷く。アソンは「さあ、ピヨニット!丘菟達の元へ行くわよ!」と扇を構え、ピヨニットが「はい、お嬢様!」と小走りでついてくる。二人が丘菟とリルの戦場へ向かう中、セバスは角兎に一突きを放ち、「ギィ!」と跳ねる敵を冷静に牽制する。

丘菟はビックラビットの腕を盾で弾き、「リル、もう一発足に!」と叫ぶ。リルが「うん、光弾!」とタクトワンドを振ると、光球がビックラビットの膝に命中し、「ピギッ!」と動きが鈍る。アソンが駆け寄り、「丘菟、援軍よ!この美貌が勝利を飾るわ!」と扇を広げる。ピヨニットが「御主人様の為に!」とダートナイフを手に構え、丘菟の横に並ぶ。丘菟は息を整え、「アソン、ピヨニット、来たか!セバスは?」と聞くと、アソンが「雑魚2匹はセバースチャーンに任せたわ。若い我々にボスを譲る気よ!」と笑う。丘菟は「なるほど、頼もしいな」と頷き、盾を構え直す。

ビックラビットが「ピギッ!」と吼え、再び丘菟に襲いかかる。丘菟は盾で受けつつ、「アソン、風で動きを止められるか?」と聞く。アソンが「ふふん、任せなさい!」と扇を振り、「エアカッター!」と風の刃を放つ。ビックラビットの腕をかすめ、動きが一瞬止まる。ピヨニットが「今です!」とダートナイフを投げ、ビックラビットの脚に突き刺さる。「ギッ!」とビックラビットがよろけ、丘菟が「よし、リル、仕掛けろ!」と指示する。リルが「フレイム・バースト!」と炎の矢を放つと、ビックラビットの胸に命中し、「ピギィ!」と悲鳴が上がる。丘菟は「効いてる!この調子だ!」とナックルガードで追撃し、戦況がさらに有利に傾く。遠くでセバスのエストックが角兎を貫く音が響き、仲間達の連携がビックラビットを追い詰めていく。


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